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〜第1回 エンリッチド・エアって何?〜 文/宮下高行(ダイビング高圧ガス安全協会代表) |
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昨年の9月に高圧ガス保安法関係省令の改正が行われたのを機に、ダイビング業界内にエンリッチド・エアへの関心が高まりつつあります。また、日本でもメンブレンシステムによるエンリッチド・エアの製造が可能になってきたことも、関心の高まりを後押ししています。 PADIウェブサイトで、エンリッチド・エアについて連載するという話を伺い、その中の一部分を担当させていただくことになりました。 エンリッチド・エア・ダイビングは、空気によるダイビングと比べて数多くのメリットがあり、かねてより私はエンリッチド・エア・ダイビングを普及させたいと考えていましたので、今回の連載によってその普及を促進できれば幸いです。 これから紹介する情報は、プロフェッショナルの皆様はすでにご存じのことも多いと思いますが、そうした点は読み流していただければ結構です。 「ナイトロックス」と「エンリッチド・エア」
ナイトロックスという言葉は、「窒素と酸素の混合気体」を指すもので、窒素と酸素の英語「Nitrogen」と「Oxygen」を組み合わせた造語です。 ですから、広い意味でのナイトロックスは、混合比に関係なく窒素と酸素の混合気体全てを指します。 通常の大気は、おおよそ酸素21%、窒素78%、その他のガス1%で構成されています。 レクリエーションダイビングで使用するナイトロックスは、酸素濃度が21%を超え、40%以内のものを使用します。 一方、テクニカルダイビングでは、大深度での酸素中毒を防ぐため、酸素濃度が21%未満のナイトロックスガスも使用します。 どちらも「ナイトロックス」ですが、レクリエーションダイビングで使用する空気より酸素濃度の高いナイトロックスを、「エンリッチド・エア・ナイトロックス(EANx)」と呼んで、大気より酸素濃度の低いナイトロックスと区別しています。 「ナイトロックスダイビングの始まり」 空気より酸素濃度の高い呼吸用ガスをダイビングに使用するという提言は、古くは19世紀までさかのぼります。 1950年代からは、アメリカ海軍で半閉鎖式スクーバでナイトロックスが使用され、また一部の水中作業会社が同時期に実験的にナイトロックスを使用しています。 1977年にNOAA(National Oceanic and Atmospheric Administration)は、酸素濃度32%のナイトロックスをオープンサーキッダイビング器材で使用することを承認し、'79年のNOAAダイビングマニュアル第二版でナイトロックスダイビングを公開しました。 この時の、制限深度は39m(130fsw)で、最大酸素分圧は、1.6ataでした。 現在のレクリエーションダイビングでは、より安全性を高めるために最大酸素分圧を1.4ataとしています。
「レクリエーションとテクニカルの区分」 レクリエーションダイビングは、「単一の呼吸ガス」で潜水し、「最大深度が39m」、「最大酸素分圧1.4ata」、ナイトロックスの「酸素濃度が21%を超え40%まで」と定義されています。 一方、テクニカルダイビングは、複数の呼吸ガスを切り替えて使用し、呼吸ガスの酸素濃度も制限はありません。 このようにレクリエーションとテクニカルの間に一線を画すことによって、レクリエーションダイバー達がテクニカルのトレーニングを受けずに、不用意に危険な範囲に踏み込んでしまうことを防いでいます。 |
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取得者(2012年1月)
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ダイビングの世界では、「ナイトロックス」という言葉と「エンリッチド・エア」という言葉が混在して使われています。「果たしてどっちの言葉が正しいんだろう?」と考えたりしますが、この二つは、示している物が多少異なっているだけで、どちらが正しいということではありません。
1995年にPADIがエンリッチド・エア・トレーニングプログラムを発表したことによって、エンリッチド・エアがレクリエーションの世界に一気に広がって行きました。 