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  連載コラムTOP #02 水中文化遺産と水中遺跡→
海の遺跡

#01 はじめに

皆さんは、「水中文化遺産」や「水中考古学」にどのようなイメージをお持ちでしょうか?

phおそらく多くの方は、「水中文化遺産」には沈没船、財宝、海底に沈んだ神殿や大陸などを思い浮かべ、「水中考古学」には海底(あるいは湖底)に残されたモノを引き揚げることを目的とした学問?と考えている方が多いのではないでしょうか。また、「水中考古学者」には財宝を積んだ沈没船を探すために世界中を渡り歩き、一獲千金をねらう山師、トレジャーハンター的なイメージを持ち、もしかしたら考古学自体にも同じようなイメージを持たれている方もいるかもしれません。

このようなイメージは、水中文化遺産や水中考古学の正しい姿を表しているものではありません。誤ったイメージです。しかし、多くの方の水中文化遺産や水中考古学に対する認識であるということも事実です。そしてこのことは、水中文化遺産を「文化遺産」として見るのではなく、単なる興味対象のモノにしか見ず、十分な調査がなされることなしに壊され、なくなってしまっている現状をもたらし、水中考古学の学問としての発展を妨げている最も大きな要因ともなっています。

このような状況を少しでも良い状況に導くためには、「水中文化遺産」や「水中考古学」を正しく知っていただくことが重要です。

日本は四方を海に囲まれており、古来よりモノや文化は海を介してもたらされてきましたし、自動車や飛行機といった乗り物が登場する前の物資の輸送手段としては、水運が重要な役割を果たしてきました。その手段として利用されたのは船で、たくさんの船が日本近海を往来してきました。その中には不運にも沈んでしまった船も。また、日本列島は、地震が原因となる土地の隆起や沈降を繰り返し、気候の変化による海(湖)水面の上昇も起こり、その結果、水没した遺跡も数多くあります。ですので、日本沿岸域あるいは近海には、水中文化遺産が数多く存在するものと推定でき、皆さんが思っている以上に、身近なところに水中文化遺産はあるのです。

phダイバーの皆さんは、すでに水中文化遺産を見ているかもしれません。しかし、明確に船体を留めているような沈没船は別として、多くのものは経年のために朽ち果て、その残骸あるいは積荷だけが残され、さらには表面に貝や海藻がつき、パッと見では原形がわからないものも多いと考えられます。また、遺物の場合は、どのようなものが対象となるのかを理解していないと、見過ごしてしまうものもあると思います。

2009年には水中文化遺産の保護・保全に関する国際法として「UNESCO水中文化遺産保護条約」も発効し(2014年7月現在、日本はまだ批准をしていません)、水中文化遺産を取り巻く環境は変わりつつあります。しかし、水中文化遺産については、誤ったイメージが席巻していることからもわかるように、日本はもとより世界的にみても十分な理解を得られておらず、十分な保護・保全もなされているとは言えないのが現状です。

陸上の遺跡とは異なり、通常では見えない、見にくいことから、その発見が難しく、わからない部分も多い「海の遺跡」を含む水中文化遺産の解明、そして保護・保全に、ダイバーの方々が尽力できることはたくさんあります。かねてより「海の遺跡」は水中に潜らない限り、直接に見ることはできませんので、その発見には海と関係がより深い方々、具体的には漁師やダイバーからの情報が大きな役割を果たしてきました。水中からの歴史的大発見といわれる事例も最初に発見したのは、このような方たちでした。もしかすると、次の大発見をするのはあなたかもしれません。

「水中文化遺産」という用語は、一般的に使われることの多い「水中遺跡」を含む水中に存在する文化遺産(人間活動の痕跡)すべてを表す用語で、「水中遺跡」より広い意味を持っています。その内容や「水中遺跡」との違いについては、次回以降で説明をします。また、このコラムでは、主に水中文化遺産のうち海にある「海の遺跡」を扱いますが、必要に応じて海以外(湖や川など)の「水中」の遺跡についても触れていきます。

ARIUA

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