2014年5月から、各地のダイブサイトで撮りたい水中写真をピックアップして、その撮影手法について解説&紹介していく企画がスタートした。一年を通していろいろなダイブサイトへ撮影に行くが、それぞれのポイントで様々な水中撮影の楽しさに出会う。その時々に感じた気持ちを作品にしながら、いかに簡単に楽しく撮影するにはどうしたら良いか?といった観点で話を進めていきたい。
今月は、日本の裏側メキシコ・ラパスでのアシカ撮影について解説する。日本からメキシコ・ラパスに行くには、直行便でメキシコシティーまで14時間、そこから国内線でラパス空港まで行く方法と、アメリカ国内で乗り換えてサンホセデルカボ(ロスカボス)空港まで行き、陸路3時間で行く、2通りの方法がある。陸路が短く、面倒なアメリカ国内乗り換えがないメキシコ直行便が便利だ。
ラパスは子どもの頃に絵本で見たような砂漠の街で、パステルカラーの街並みが美しい。ラパス最大のアシカコロニーがあるロスイスロテス島は、ラパス市内からボートで約1時間。アシカの子どもたちと遊ぶには9月中旬のシーズンがオススメだ。
アシカは動きがとても速く、気まぐれな性格。チャンスに恵まれないと撮影にならない日もある。撮影目的で行くなら、ダイビングすべてアシカダイブにしたい。
フィッシュアイレンズを選択した場合、アシカにバッチリ寄らなければならず、気まぐれなアシカが近づいてくれないと大きく写らない。水中撮影に慣れない方、ダイビング経験が浅い場合には、フィッシュアイレンズではなく広角レンズがオススメ。(例:M.ZUIKO DIGITAL12mmF2.0にドームポートFP8-9Ⅱ)
アシカと遊ぶダイブサイトは水深が浅く、晴れた日には明るい水中となるので、今回は水中フラッシュを外しての撮影とした。
HDR(ハイダイナミックレンジ)での撮影
水底から水面を見上げての撮影になることが多いアシカ撮影は、逆光撮影になりやすい。アシカがシルエットになってしまう場合があるので、HDR撮影が効果抜群! フラッシュOFFなのでシャッター速度の制限がなく、シルエットにならずに済む。 水中ワイドモードのままではHDR撮影ができないので、Aモード&水中WBで対応する。
◆カメラ:OLYMPUS O-MD E-M1
◆レンズ:LUMIX G8mmFISHEYE F3.5
◆ハウジング:PT-EP11
◆レンズポート:FP8-9Ⅱ
◆撮影モード:Aモード
◆絞り値:F5.6
◆シャッター速度:1/320
◆露出補正:-0.3EV
◆ISO:AUTO(200)
◆フラッシュ:OFF
◆WB:水中WB-1STEP(G)
◆HDR1
◆水深:-10m
清水 淳 Profile