2014年5月から、各地のダイブサイトで撮りたい水中写真をピックアップして、その撮影手法について解説&紹介していく企画がスタートした。一年を通していろいろなダイブサイトへ撮影に行くが、それぞれのポイントで様々な水中撮影の楽しさに出会う。その時々に感じた気持ちを作品にしながら、いかに簡単に楽しく撮影するにはどうしたら良いか?といった観点で話を進めていきたい。
今回は、ベストシーズンのモルディブを紹介したい。モルディブは一年中ダイビングが楽しめる南国パラダイスなのだが、オススメは、透明度が高くなり、潮流も強くなる12月~4月の乾季。 今回は2月末に北マーレ環礁、3月初旬にアリ環礁と、2回にわたって撮影をしてきた。今年の乾季は透明度が驚くほど良く、流れも程々に強く、スーパードリフトダイビングを楽しむことができた。
アリ環礁の、あるダイバーズ・リゾートでは、ダイビングの経験とスキルによってカテゴリーが3つ用意され、「Easy」「Medium」「Difficult」と、参加者に合わせたレベルのダビングが楽しめる。もちろん私は毎日「Difficult」にエントリーした。「Difficult」では、ガイドはつかず、ブリーフィング後は完全バディダイブ。おかげで自由な爆流ダイブを堪能できた。流れが強い中では、水中撮影が困難な場合が多いが、岩陰には魚の群れが泳ぎきれずにたまっていることがある。ここが狙い目だ。
モルディブの玄関口、マーレ。世界各地からいろいろな国の人達が訪れる。アリ環礁には水上飛行機で移動する。各リゾートでは、セルフで楽しめるビーチダイビングとガイド付きのボートダイビングが楽しめる。
使用する撮影モードは「水中ワイド」モード。基本的に水中でのワイド撮影はこのモードを使う。
カメラのファンクションボタン(FN)に水中モードの呼び出しを割り振って使う。このモードにセットすれば、難しいチューニングは不必要。ワンタッチで水中でのワイド撮影に最適な状態にセットされる。
モニターの左隅に魚3尾のマークが出たらセット完了!
内蔵フラッシュで撮影する場合は、ISOをAUTOにセットするのを忘れないように行なう。
背景の明るさを露出補正でコントロール。フラッシュの明るさはフラッシュ補正で調整する。
すべてカメラ側でコントロールできるのが特徴だ。絞りやシャッター速度を意識せず、明るかったらダイヤルを回して暗くする、フラッシュが強かったらダイヤルを回すといった感じだ。 カメラの詳しい知識は必要ない。
スノーケリングでの撮影では、自然光撮影。
ミラーレス機であれば、フラッシュをOFFにセットして撮影する。露出補正は-0.7EV前後がオススメ。
コンパクト機であれば、水中スナップを使って撮影する。露出は初期設定でOKだ。
広い画角を得るために、ズーム位置はワイド側最大にセットしたい。
ミラーレス機では、フィッシュアイレンズや、9-18mmといった広角レンズを用意すると良い。
ネガティヴ・エントリーで一斉に水底を目指すヨーロピアン・ダイバー。
オーバーハングの中に、ものすごい数の赤い魚が群れていた。 岩陰から出ると激しい潮流があるので、魚たちが一カ所に集まる。
一面、キサンゴ。ポリプ全開で咲いている花のようだ!フィッシュアイで激寄して撮影。
正午頃のスノーケリング。透明度が高く明るい水中に仕上がる。
スノーケリング中に見つけた、立派なサンゴ。
モルディブの良さは、スノーケリングで素晴らしい水中写真が撮れるところ!
ダイビングの合間は、ずーっとスノーケリング&水中撮影を楽しんだ。
白い砂浜と青い空、そしてエメラルドグリーンの海。このコラボの撮影がたまらない!
PLフィルターを使って撮影をすると、空がここまで青くなり、写真が引き締まる。
周りの環境が明るすぎてモニターが見えづらいので、露出を少しづつずらして撮影する。
望遠レンズもビーチ撮影に必要だ。 M.ZUIKO DIGITAL 40-150mmF2.8
星の撮影は、ライブコンポジットモードを使った撮影が簡単でおもしろい。
フォーカスは、マニュアルで星にピントを合わせる。
ホワイトバランスは、空を透き通った青に仕上げたいので、4200Kくらいに。
感度はISO1600。
最新のコンデジには、星空撮影ができる機種もある。
「ライブコンポジット」モードが搭載されていれば、難しい操作も知識もいらない。
ただし三脚は必要。長い時間の撮影になるので、あまり華奢なタイプだと心細い。
清水 淳 Profile