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〜第8回 マクロ撮影術〜
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今月のお手本

◆カメラ:OLYMPUS E-PL3
◆ハウジング:PT-EP05L
◆撮影モード:水中マクロ
◆絞り値:F8.0
◆露出補正:-0.7EV
◆シャッター速度:1/80
◆ISO:200
◆フラッシュ:ON(内蔵フラッシュのみ)
◆WB:水中WB
◆撮影地:ケラマ諸島/沖縄

今回は水中でのマクロ撮影について解説する。

マクロ撮影では、被写体のあるポイントに正確にピントを合わせることが大前提になるが、ワイド撮影同様、背景がどのように写るかも大切な要素になる。被写体を見つけた瞬間から、その被写体に向かってそのままアプローチしてしまう方が多いように思える。アプローチする方向、角度によって、背景が何になるかを、よく考えてから撮り始めるといい。

例えばヤシャハゼのように砂地にいるハゼの場合は、カメラを砂地を這わせるように構えれば背景はブルーに抜けるが、構えやすいようにカメラを起こして斜め上から撮ると、背景は砂になってしまい、被写体は背景に埋もれてしまう。

ズームが望遠側最大、被写体に極寄りのワーキングディスタンスと、被写界深度は薄くピントが合いにくくなるのがマクロ撮影の特徴。ピントが合わずイライラすることも多いが、ピントの薄さを利用して「表現したいもの以外はぼかして主たる部分を強調する」楽しみも持ち合わせている。ひとつの被写体に対し、今までより倍の枚数を撮るくらいの覚悟で臨むと、意外にシャープで魅力のあるカットが手に入るものだ。

マクロ撮影も大きく分けると二通りの手法がある。
●臆病な被写体に対し、高倍率な望遠マクロレンズで撮影する手法
●近づいても逃げない被写体に対し、クローズアップレンズを併用して拡大して撮影する手法

では、それぞれの手法について詳しく解説しよう。

臆病な被写体に対し、高倍率な望遠マクロレンズで撮影する手法

望遠マクロレンズを使って、やや離れた位置から被写体にジックリ寄っていき、できる限り大きく写せる位置までにじり寄る。 最短撮影距離まで寄れれば、迫力のある大きさになるはずだ。一眼レフのシステムであれば100mmクラスの望遠マクロレンズの出番になるが、コンパクトカメラや標準ズーム搭載のミラーレス一眼などでは、ズームを最望遠側にセットして撮影する。

望遠マクロレンズを使用しなくても、最近デビューした《オリンパス》のE-PL3、E-PM1には"デジタルテレコン"という必殺技的テクノロジーが搭載された。光学的なテレコンバーターではなくデジタルで倍率を2倍にする機能だが、従来のデジタルズームと違い、画質の低下は最小に抑えられているので便利な機能といえる。標準ズームでもズームを望遠側最大にセットしてデジタルテレコンをONにセットすれば、望遠マクロレンズを使用したのと同様の倍率が得られて大きく写せる。

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M.ZUIKO 14-42mmF3.5-5.6UR 42mm側(最望遠側)
デジタルテレコン OFF

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M.ZUIKO 14-42mmF3.5-5.6UR 42mm側(最望遠側)
デジタルテレコン ON

臆病な被写体に対し高倍率な望遠マクロレンズで撮影する被写体

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E-PL3&PT-EP05Lで撮影
M.ZUIKO 14-42mmF3.5-5.6UR 42mm側(最望遠側) デジタルテレコン ON

ハゼやスズメダイ、ギンポ、カエルウオなどがこの手法でよく撮影される被写体。脅かさず、少しずつ、ジックリ近づくのが最大のコツ。 ピント合わせに集中する前に、フラッシュ光の調整を必ず行なっておく。 ギリギリまで近づいた時にカメラを操作すると、不意にカメラが大きく動き、被写体を逃がすことになりかねないからだ。 この撮影手法に慣れてきたら、背景の露出にも気を回そう。 背景の露出を露出補正でコントロールする点は、ワイド撮影と同じ。

クローズアップレンズを使い拡大撮影する手法

ph08クローズアップレンズを装着すると、レンズ本来の最短撮影距離をさらに短くできる。注意したいのは「クローズアップレンズを装着しただけでは大きく写らない」ということ。被写体にさらに近づき、拡大して大きく写すことになるが、装着後は遠方にピントが合わなくなるので必要時にのみ装着する。

クローズアップレンズの焦点距離によって倍率が異なる。水中でよく使われるタイプは165mm、100mmが多い。色収差を防ぐために2枚一組の構造になっていて、レンズ間には窒素ガスが充填されている。

165mmと100mmの違い
オールマイティーに使えるのが倍率の低い165mmタイプ。 高倍率な100mmタイプは、ごく接近しないとピントが合わないが「とにかく拡大したい!」という方にはおすすめ。 165mmタイプ/OLYMPUS PTMC-01、100mmタイプ/UNCU-02などがある。

私の場合は165mmと100mmの2タイプのレンズを使い分けている。寄せてくれるハゼ撮影には165mm、エビ・カニは100mm、サンゴのポリプなどには2枚を重ね付けすることが多い。

クローズアップレンズを使い拡大撮影する被写体

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E-PL3&PT-EP05Lで撮影
M.ZUIKO 14-42mmF3.5-5.6UR 42mm側(最望遠側)クローズアップレンズPTMC-01使用

ウミウシ、サンゴのポリプ、カクレエビ、ホヤなどがこの手法でよく撮影される被写体。触れるほどに近づいても逃げない被写体にこの手法を使う。 ピントは極薄になるので、カメラを左手でしっかりとホールドし、息を吐いて体を固定して撮影する。 どこにピントを合わせるか、被写体をどう切りとるか、しっかりと決めてからアプローチしたい。 数枚撮ったらリプレイして、狙ったポイントにピントがきているか、拡大表示させて確認する。 数多く撮影するのはこの手法でも同様だ。

失敗フォトクリニック
量販店で、「ハゼを大きく撮りたい」と相談したら、クローズアップレンズの使用をすすめられました。購入してハゼを狙いましたが ピントが合わず、のぞき窓のように写ってしまいました。 どうしてでしょうか?
◆カメラ:OLYMPUS E-PM1
◆レンズ:ZUIKO DIGITAL 14-42mmUR
◆撮影モード:水中マクロ
◆絞り値:F8.0
◆シャッター速度:1/125
◆ISO:200
◆フラッシュ:ON
◆露出補正:-0.7EV
◆WB:水中WB
◆撮影地:沖縄
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処方

クローズアップレンズを使う場合は、ズームを最望遠側に固定して撮影します。今回の写真ではズームをワイド側にセットして撮影していたようです。クローズアップレンズをつけると、クローズアップレンズの焦点によっても異なりますが、近すぎても離れすぎてもピントが合わなくなります。ピントが合うポイントが決まってくるので、その距離に被写体を置いて撮影するといいでしょう。


清水淳

清水 淳 プロフィ−ル

しみずじゅん。1964年埼玉県生まれ。「水中から見上げた空」をメインテーマに半水面や海辺の風景撮影を撮り続けている。ダイビング専門誌やカメラ関係誌などで執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室《マリーンプロダクト》を主宰。著書に「誰にでも撮れる水中写真」「デジタルカメラで簡単水中写真」がある。社団法人日本写真家協会会員

◆清水淳 オフィシャルウェブサイト  http://www.marine-p.com/shimizu/

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