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  自然写真家・高砂淳二氏が世界のさまざまな海で出会った魅力たっぷりの水中シーンを、旅の体験談と共にお届けします。

〜第17回 カリブ〜

phカリブの海に最初に潜ったとき、プロレスラーのフトモモのような太さの巨大ウツボがいて、それをダイブマスターがあたかもペットのように素手で撫でつけるのを見て心から驚いたのを覚えている。

カリブ海のポイント自体は、わりとどこを潜ってもワンパターンな海なのに、渦巻くほどのサメが集まる迫力満点の餌付けポイント、飼っているイルカを海に連れだして一緒にダイビングさせるサービス、巨大な無数のエイを餌付けしているポイントなど、ちょっと強引なやり方ではあるけれど、それまでの海とはまったく違った印象のダイビングポイントがときどきあって、それが僕にはとても新鮮だった。

特に、エイの餌付けをしている、ケイマン諸島の「スティングレイシティ」というポイントは凄かった。ボートが来ただけで集まってしまっていた無数のエイたちは、僕が海に入ると、写真を撮ろうとして膝まづいている僕の足元からヌメヌメと這い登ってきて、ねっとりとしたエイのお腹が、次々と僕の体を舐め回していくのだった。

エイにしてみれば、ただ口でエサを探し回っているだけなのだと思うが、口がお腹に付いているので結果的に、エイたちが四方からお腹でねっとりと張り付いてくる、という形になるのだった。

ダイブマスターから餌の小魚を渡され、恐る恐る手を前に差し出してみた。足元から這い上がってきたエイは僕の腕の先まで上り詰め、お腹の一部が、手に握りしめていた小魚を吸引して抜き去っていったではないか! なんという食べ方!

今は、餌付けという行為自体、生態系を破壊してしまうということで、だいぶ減ってきてはいるけれど、そんな考えがぶっ飛んでしまうほど、刺激的な経験であった。

撮影こぼれ話

今から6年前、オーストラリアの人気動物番組のレポーターであり環境保護活動家でもあったスティーブ・アーウィンさんが、オーストラリアのグレートバリアリーフでエイの毒針に刺されて急死してしまった。動物の扱いに長け、オージー訛りの語り口も楽しく、僕もときどき見ていたのだが、本当に驚いてしまった。

「スティングレイシティ」のエイは、人にすっかり慣れているから大丈夫だけれども、それでも人と生き物の間には、"超えてはいけない一線"というものもあるということを、あらためて感じさせられた事故ではあった。

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※写真をクリックすると大きな画像が見られます


高砂淳二

高砂淳二 プロフィ−ル

たかさご じゅんじ。自然写真家。1962年、宮城県石巻市生まれ。 ダイビング専門誌の専属カメラマンを経て1989年に独立。 海の中から生き物、風景まで、地球全体をフィールドに、自然全体の繋がりや人とのかかわり合いなどをテーマに撮影活動を行っている。 著書は、月の光で現れる虹を捉えたハワイの写真集「night rainbow 〜祝福の虹」(小学館)をはじめ、「虹の星」、「free」、「BLUE」、「life」(ともに小学館)、「ハワイの50の宝物」(二見書房)、「クジラの見る夢 〜ジャックマイヨールとの海の日々〜」(七賢出版)、「南の夢の海へ」(PIE BOOKS)、「Children of the Rainbow」(小学館)、「そら色の夢」(PIE INTERNATIONAL)など多数。2012年10月には、エッセイ集「夜の虹の向こうへ」(小学館)が発売された。 「太平洋島サミット記念写真展"PACIFFIC ISLANDS"(コニカミノルタ・プラザ)」 、ザルツブルグ博物館、渋谷パルコ、阪急百貨店など、写真展多数開催。

◆高砂淳二 オフィシャルウェブサイト  http://www.junjitakasago.com
◆高砂淳二 オフィシャルブログ http://junjitakasago.com/blog/
◆高砂淳二 Facebookページ http://www.facebook.com/JunjiTakasago


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