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  自然写真家・高砂淳二氏が世界のさまざまな海で出会った魅力たっぷりの水中シーンを、旅の体験談と共にお届けします。

〜第19回 マンタに出合える海〜

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これまで和名ではオニイトマキエイと呼ばれてきた「マンタ」が、「オニイトマキエイ」と「ナンヨウマンタ」の2種類に区別されることになったそうだ。沖縄やミクロネシア、モルディブなどで見られてきたタイプのものは「ナンヨウマンタ」。ガラパゴスやメキシコ、小笠原などの外洋で見られる、巨大で、背中の白い帯が口と並行していて、口の下側が黒っぽいのが「オニイトマキエイ」となるのだそうだ。

僕はもちろんいろんなところでマンタを、当たり前の「マンタ」として見てきたけれど、メキシコのソコロやガラパゴスなどで見たマンタは、どうも大きくて全体が黒っぽくて、しかも巨大で、ごっついコバンザメを付けていて、「なんか同じマンタでもずいぶん違うものだなあ」と思っていた。この2種類に区別される、というニュースを聞いて、ストンと腑に落ちた。

以前ソコロで撮った「マンタ」の写真を引っ張り出してみた。ソコロは、カリフォルニア半島の先にあるカボサンルーカスからクルーズ船で24時間もかかる、正真正銘の絶海の孤島。秘境中の秘境のダイビングスポットだ。

マンタの背中がよく見える写真を見つけた。しかし、「おやっ?」。白い帯は「ハ」の字に見える。ナンヨウマンタなのだろうか? でも口のまわりの見える写真を見てみると色が黒っぽい。どうやら白い帯全体の形ではなく、帯の口側の1辺が口と並行であることがオニイトマキエイの特徴であるらしい。ということで、やはりソコロで見ていたマンタは、沖縄やモルディブで見ていたナンヨウマンタではなく、オニイトマキエイだったのだ。

ソコロに向かう24時間の間に、ザトウクジラは何度も姿を現すわ、イルカは飛ぶわ、濃厚な海であることを証明してくれる。このソコロの海の雰囲気は、ドドーンと暗くて深い、何が出てくるか分からないような不気味な色をたたえている。いざ潜ってみると、黒くて巨大な、ちょっと不気味なマンタたちだけでなく、ハンマーヘッド、その他各種サメなど、その雰囲気をさらに盛り上げるような役者たちが勢ぞろいしている。

ドン深で不気味なソコロの海は、海況の関係で11月ごろから5月ごろまでの、わずか半年しか潜ることができない。そんな、限定された海だからこそ、ダイバーの気持ちをくすぐるのだろうか。もし行かれる方がいたら、ぜひマンタの姿や模様などをしっかり観察してきてほしいな。

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※写真をクリックすると大きな画像が見られます

撮影こぼれ話

10年ほど前に行ったソコロの海のことを思い出している今も、ついついある歌を口ずさんでしまっている。それは、「トトロ」の主題歌だ。

ちょっと暗い、底の見えない海は、実は僕はあまり得意ではなく、どちらかと言えば早く切り上げてしまいたいほどだった。そんなとき、海の中で「ソコロ、ソコロ・・・」と言っているうちに、自分を元気づけようとする気持ちも働いてか、「ソコロ、ソッコロ〜。ソコロ、ソッコロ〜♪」と、トトロの歌のメロディーで口ずさんでしまうようになったのだった。

情けないけど、あの時トトロには助けられたなあ。


高砂淳二

高砂淳二 プロフィ−ル

たかさご じゅんじ。自然写真家。1962年、宮城県石巻市生まれ。 ダイビング専門誌の専属カメラマンを経て1989年に独立。 海の中から生き物、風景まで、地球全体をフィールドに、自然全体の繋がりや人とのかかわり合いなどをテーマに撮影活動を行っている。 著書は、月の光で現れる虹を捉えたハワイの写真集「night rainbow 〜祝福の虹」(小学館)をはじめ、「虹の星」、「free」、「BLUE」、「life」(ともに小学館)、「ハワイの50の宝物」(二見書房)、「クジラの見る夢 〜ジャックマイヨールとの海の日々〜」(七賢出版)、「南の夢の海へ」(PIE BOOKS)、「Children of the Rainbow」(小学館)、「そら色の夢」(PIE INTERNATIONAL)など多数。2012年10月には、エッセイ集「夜の虹の向こうへ」(小学館)が発売された。 「太平洋島サミット記念写真展"PACIFFIC ISLANDS"(コニカミノルタ・プラザ)」 、ザルツブルグ博物館、渋谷パルコ、阪急百貨店など、写真展多数開催。

◆高砂淳二 オフィシャルウェブサイト  http://www.junjitakasago.com
◆高砂淳二 オフィシャルブログ http://junjitakasago.com/blog/
◆高砂淳二 Facebookページ http://www.facebook.com/JunjiTakasago


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