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  自然写真家・高砂淳二氏が世界のさまざまな海で出会った魅力たっぷりの水中シーンをお届けします。(毎月第1金曜更新)

〜第4回 フィリピン〜

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東南アジアの海は、とっても濃厚だ。透明度は悪くはないけれども、どことなくスコーンとは抜けた感じがなく、プランクトンやほかの浮遊物が海の水全体に溶けているような雰囲気を持っている。

特にフィリピンの海はそう。ねっとりとした海の水の中を小魚たちが泳ぎ回り、その濃厚なスープの正体である浮遊物を無心についばむ。海底には、カイメンやホヤ、サンゴなどの動かぬ生物たちがところ狭しと張りつき、やはり濃厚スープに潜む粒子を濾し取って暮らしている。

実はこのプランクトンなどの濃厚スープの素が、海の生態系の基礎なのだ。これを食べるために小魚が集まり、さらにその小魚を食べる中型魚が集まり、そしてさらに、大型の回遊魚やサメなどが集まって、ひとつの食物連鎖ピラミッドができ上がる。

そんなフィリピンの海の中は、フィリピンの首都であるマニラやほかの大きな街の雰囲気とどことなく似ている。街中を行き交う人間に、路上で声をかけて商売をする人、屋台を出して立ち止らせて稼ぐ人、さらにそんな人を集めてトライシクル(サイドカータクシーのようなもの)の元締めをする人たちや、雑居ビルに無数の棚を出させて商売をするビジネスマンなど。そんないろんな階層の人たちが集まってきて、まるでフィリピンの海のような混沌とした、濃厚な雰囲気を醸し出しているのだ。

フィリピンの海でも特に僕の好きなところは、セブ島のまわりに点在する世界でも有数のダイビングポイント。あちこちに小魚が集まって巨大な塊を作っていたり、ギンガメアジやバラクーダの群れが大きな渦を巻いていたりと、大きな海を感じる一面があるかと思うと、着底したり、手を着いて体を支えようと思っても、海底が生物で被われ尽くしているために、そんな場所すら見つからないほど、細かな生き物が多いという面もある。

フィリピンの海は、街と同じように混沌とした、なんでもありのとっても濃厚な海だ。

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撮影こぼれ話

今から15年ほど前、セブ島の海中でジンベエザメが現れた。当時は「ジンベエザメに出合う」というのは、ダイバーの最大の夢だった。ダイビング雑誌の撮影で行っていた僕と編集者は、ジンベエの写真を掲載できることで興奮し、喜び勇んで泳ぎ寄ろうとした。するとその瞬間、現地ガイドが勢いよく飛び出してジンベエに追いつき、なんとその背中に馬乗りになってしまったのだ! あああ! 当然のことながらジンベエは慌ててガイドを振り切り、海底深く逃げ去ってしまった。ガイドは思わずガッツポーズ。「僕の最大の夢だったんだ」という言い訳に、僕らは返す言葉もなかった。。。


高砂淳二

高砂淳二 プロフィ−ル

たかさご じゅんじ。自然写真家。1962年、宮城県石巻市生まれ。 ダイビング専門誌の専属カメラマンを経て1989年に独立。 海の中から生き物、風景まで、地球全体をフィールドに、自然全体の繋がりや人とのかかわり合いなどをテーマに撮影活動を行っている。 著書は、月の光で現れる虹を捉えたハワイの写真集「night rainbow 〜祝福の虹」(小学館)をはじめ、「虹の星」、「free」、「BLUE」、「life」(ともに小学館)、「ハワイの50の宝物」(二見書房)、「クジラの見る夢 〜ジャックマイヨールとの海の日々〜」(七賢出版)、「南の夢の海へ」(PIE BOOKS)など多数。 2011年5月には、ハワイの写真集「Children of the Rainbow」(小学館)が発売された。 「太平洋島サミット記念写真展"PACIFFIC ISLANDS"(コニカミノルタ・プラザ)」 、ザルツブルグ博物館、渋谷パルコ、阪急百貨店など、写真展多数開催。

◆高砂淳二 オフィシャルウェブサイト  http://www.junjitakasago.com
◆高砂淳二 オフィシャルブログ http://junjitakasago.com/blog/
◆高砂淳二 Facebookページ http://www.facebook.com/JunjiTakasago


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