デジカメ上達クリニック〜第17回 コンパクトデジカメを使いこなせ(マクロ編2)
水中世界の感動を写真を残そう!

デジカメ上達クリニック

-第17回- コンパクトデジカメを使いこなせ
クローズアップレンズを使わない被写体


今月のお手本
◆カメラ:OLYMPUS TG-1
◆プロテクター:PT-053
◆撮影モード:水中マクロ
◆絞り値:F6.3
◆シャッター速度:1/200
◆露出補正:±0.0EV
◆ISO:AUTO(200)
◆フラッシュ:ON
◆WB:水中
◆撮影地:沖縄/慶良間

以前、コンパクトデジカメを使ったマクロ撮影について解説した(第14回)が、大枠を捉えた話で終始したので、今回はコンパクトカメラを使ったマクロ撮影、さらにその中でクローズアップレンズ使わない被写体の撮り方について紹介したい。
コンパクトデジタルカメラを使ってマクロ撮影を行なう場合は、使用するカメラの撮影レンジによって「どのくらいの距離まで被写体に近づけるか?」を正確に理解することが大切だ。通常、撮影レンジ、マクロ撮影レンジとたいていのカメラでは撮影レンジを切り替えられるようにできているので、シーンに合わせて切り換える必要がある。今回のお手本の撮影はOLYMPUS TG-1を水中専用のシーンモード/水中マクロに設定して撮影した。

このカメラでは水中でのマクロ撮影に最適な撮影レンジを自動で設定してくれるので、ユーザーがいちいち撮影レンジをセットしなくても良いのだが、このような仕様になっていないカメラもあるので、ご自身のカメラを使用前に確認することも必要だ。

TG-1の場合、光学ズームを望遠側いっぱいにセットした場合、被写体まで陸上値で10cmとかなり被写体に近づくことが可能だが、同社のTG820は同様のセッティングで50cmと、カメラによって最短撮影距離は様々だ。

●必要機材

使用するカメラは標準的なコンパクトデジタルカメラとその防水ハウジング。最近のコンパクトデジタルカメラの性能はずいぶんと向上し、一昔前の一眼レフ並みの画質を有する機種もある。水中専用のホワイトバランスを搭載し、大型の外部フラッシュ等の併用なしでも鮮やかな発色が得られる。コテコテのアクセサリーは必要ない新しいタイプの水中撮影システムだ。

●撮影の仕方


撮影距離 1m

撮影距離 50cm
近づいた分だけ鮮明に撮影が可能になる。被写体との距離があると、フラッシュ光は届きにくくなり、フラッシュも大きな発光量を照射しようとする、その結果、浮遊物にフラッシュ光が乱反射し、白っぽくなる。できる限り近づいて撮影することが大切。臆病なタイプの被写体の場合は、慎重に近づくことも忘れずに!
カメラの設定は、
●撮影モード:
水中専用のマクロ系のモードを使用する。水中マクロモードが望ましいが、搭載していないカメラはP(プログラムオ ート)にセット。
●やや離れた位置から撮影することになるので、倍率を稼ぐためにズームは望遠側最大にセットする。
●ホワイトバランス:
水中専用の水中ホワイトバランスを使用する。フラッシュ光が少なくても発色が良くなるので、マリンスノーが出にくくなる。搭載していない場合は5300K(プリセット晴天)にセット。
●フラッシュ:
浮遊物の多いシーンなのでフラッシュは強制的にOFF。 浮遊物の多いシーンでフラッシュを使用すると、雪が降ったようなノイズが場面いっぱいに出てしまう。深度の浅い今回のようなシーンであれば、フラッシュOFFで撮影する。

●ピント

左手でカメラをしっかりと構える。シャッター半押しで正確にピントを合わせる。被写体の面積が小さい場合、左の写真のように、カメラのオートフォーカスが被写体ではなく背景にピントを合わせてしまうことが多々ある。その場合は、被写体の足元の砂の部分に合わせてピントを固定して、フレーミングを再度行なうと良い。1カットのみで撮影を終えるのではなく、同一被写体で数カット撮影するのがコツ。

●アングル

被写体を見つけた位置からそのままカメラを構えて撮影すると、被写体に対し斜め上45度からの撮影になり、背景は砂や岩になることが多い。画面中の距離もほぼ同じになり、立体感がない平面的な写真になりがちだ。カメラの高さを被写体と同じ水深まで下げると、背景が抜け、画面中の距離が近景から遠景まで距離感に富んだ写真になる。背景に被写体が溶け込むことがなくなり、見栄えも良くなる。

●表現方法

被写体の背景を何にするか? 見つけた被写体にがむしゃらに寄るだけでなく、左の写真のように被写体の住む環境も入れ込み、やや引き気味に撮影する手法もある。一方、被写体の一部分を切り取るほどに近づき、大胆に描写する手法もある。一つの被写体で同じ撮影手法で終わるのではなく、寄ったり引いたりすると、雰囲気もずいぶん変わるものだ。

失敗フォト+クリニック

同じシーンで数カット撮影しました。きれいに写る場合もありますが、白っぽくノイジーに写る場合もあります。カメラの故障でしょうか?
◆カメラ:OLYMPUS TG820
◆撮影モード:水中マクロ
◆絞り値:F5.9
◆シャッター速度:1/125
◆ISO:1600
◆フラッシュ:ON
◆露出補正:-0.3EV
◆WB:水中
処方
最近のカメラはフラッシュの到達を考慮して自動的に感度を調整する機能が付いています。被写体までの距離が遠い場合、自動的に感度アップして被写体を明るく写し出そうとする機能です。写真のデータを見ると写真上はISO感度が1600まで上がっています。それに対し写真下はISO500です。感度が上がると遠くまでフラッシュ光は届きますが画質は低下します。
◆カメラ:OLYMPUS TG820
◆撮影モード:水中マクロ
◆絞り値:F5.9
◆シャッター速度:1/125
◆ISO:500
◆フラッシュ:ON
◆露出補正:-0.3EV
◆WB:水中

清水 淳 Profile


しみずじゅん。1964年埼玉県生まれ。「水中から見上げた空」をメインテーマに半水面や海辺の風景撮影を撮り続けている。ダイビング専門誌やカメラ関係誌などで執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室《マリーンプロダクト》を主宰。著書に「誰にでも撮れる水中写真」「デジタルカメラで簡単水中写真」がある。社団法人日本写真家協会会員
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