デジカメ上達クリニック〜第19回 コンパクトデジカメを使いこなせ(ワイド編
水中世界の感動を写真を残そう!

デジカメ上達クリニック

-第19回- コンパクトデジカメを使いこなせ
自然光で撮るワイド撮影


今月のお手本
◆カメラ:OLYMPUS XZ-2
◆プロテクター:PT-054
◆撮影モード:水中ワイド1
◆絞り値:F4.0
◆シャッター速度:1/640
◆露出補正:+1.0EV
◆ISO:AUTO(100)
◆フラッシュ:OFF
◆WB:水中WB
◆撮影地:モルディブ

前回、前々回と、コンパクトデジカメを使ったマクロ撮影について解説したが、今回はコンパクトデジカメを使ったワイド撮影の中で、自然光で撮る手法について紹介したい。

コンパクトデジカメを使ってワイド撮影を行なう場合は、水中の浮遊物に内蔵フラッシュ光が当たって乱反射する「マリンスノー」との戦いになる。お手軽で、気軽に水中に持っていけるコンパクトデジカメの場合、カメラのスペース的に内蔵フラッシュとレンズが隣接し、水中の浮遊物の影響を受けやすい構造と言える。マリンスノーを少なくするには、被写体に近づき外部フラッシュを光源にすると、ある程度マリンスノーによるノイズを抑えることが可能だが、撮影システム自体が大型化するデメリットが出る。そこで、別の対策方法があるので紹介したい。

内蔵フラッシュを照射するからマリンスノーが発生するのであれば、内蔵フラッシュを止めて撮影すればノイズは消える。ただし、カラーバランスの整った光源を失うので、緑がかった貧弱な画像になる。そこで登場して活躍するのが、水中専用のホワイトバランスだ。水中ホワイトバランスを利用すれば、偏ったカラーバランスを修正して、マリンスノーのない、カラフルな水中画像が手に入る。上の作例は、最新式の水中ホワイトバランスを用い、ノンフラッシュで撮影した作品だ。皆さんにもこのような気持ちの良いワイドフォトを楽しんでいただきたい。

●必要機材

使用するカメラは標準的なコンパクトデジカメとその防水ハウジング。
水中専用のホワイトバランスを搭載し、水中外部フラッシュ等の併用なしでもクローズアップレンズを併用した撮影は可能だ。

大型の拡散板と水中専用モードの搭載で、浮遊物の多い環境でもマリンスノーが出にくい設計になっている。 コテコテのアクセサリーは必要ない、新しいタイプの水中撮影システムだ。写真は《オリンパス》のXZ-2&PT-054。

●マリンスノーについて

水中に浮遊物が多いと、被写体に近づいて撮影しても内蔵フラッシュ光が浮遊物に当たり、マリンスノーが発生する。 フラッシュ光量をギリギリまで落とす手法もあるが、内蔵フラッシュとレンズの位置が隣接しているので限界はある。 フラッシュを使っていなくても、浮遊物の多い環境では、浮遊物が霧のような効果をつくり、はっきり写らない原因となる。
撮影テクニック 1

フラッシュOFF

外部フラッシュ2灯の微少発光

6倍レンズの場合、ちょっとしたカメラの動きでレンズ先端が被写体に極接近して、被写体を逃がしてしまう場合がある。 近づかなければ大きく写せないが、微妙に距離をあけなければ逃がしてしまいそうな被写体には、2倍のクローズアップレンズを用いると良い。イバラカンザシやガラスハゼの仲間などがその例だ。被写体へのアプローチに慣れてくれば、臆病なハゼの撮影にも使える。といったわけで、超高倍率の6倍レンズだけではなく、倍率の低い2倍のレンズも必要になってくる。

浮遊物が多くマリンスノーが出て困る環境なら、迷わずフラッシュをOFFにする。フラッシュを使わなくても明るく写るように露出補正をややプラスに振ると良い。大がかりなシステムがいらず、簡単にできるのでお勧め。
大がかりなシステムになるが、外部フラッシュを使ってフラッシュ光を弱めに発光させると、発色が豊かな写真になる。
右の写真は純正の小型フラッシュUFL-1の2灯システム
ブラケット:MP-BK-02、アーム:MPアームSセット
撮影テクニック 2

「水中ホワイトバランス」

陸上でよく使う「ホワイトバランス晴天」

最新式の水中ホワイトバランスは、水の透明感、被写体の発色どちらもバランスよく調整される。 スノーケリング等のシーンでは、フラッシュOFFがベストチョイスだ。 フラッシュOFFで水中ホワイトバランスを生かした撮影をする場合は、順光で撮影すると良い! 太陽光を背中から受けるように位置取りをする。

撮影テクニック 3

自然光を生かした撮影では、できるだけ水深を浅くとる。逆光状態にならないように、やや俯瞰気味に位置取り、アングルを決める。遠近感が生かせる構図が効果的だ。 気持ち良さを表現できるようにいっぱい撮影して感覚をつかむ。

失敗フォト+クリニック

ジンベエザメの撮影でフィリピンまで行ってきました。極接近したのですが、何が写っているのかわからない写真になってしまいました。やっぱりワイドコンバージョンレンズを付けたほうが良いですか?
◆カメラ:OLYMPUS XZ-2
◆撮影モード:水中ワイド1
◆絞り値:F2.5
◆シャッター速度:1/800
◆ISO:100
◆フラッシュ:OFF
◆露出補正:+0.7EV
◆WB:水中
処方
そうですね! 純正の大型のワイコンを使うと良いです。画角が広がり、ジンベエザメ全体が近づいても入ります。その反面、撮影システムは大型化します。ワイコンなしでも被写体の特徴がわかる部分を切り取る手法もあります。全身が入らなくても良いのではないでしょうか。

清水 淳 Profile


しみずじゅん。1964年埼玉県生まれ。「水中から見上げた空」をメインテーマに半水面や海辺の風景撮影を撮り続けている。ダイビング専門誌やカメラ関係誌などで執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室《マリーンプロダクト》を主宰。著書に「誰にでも撮れる水中写真」「デジタルカメラで簡単水中写真」がある。社団法人日本写真家協会会員
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