前回は自然光を使ったワイド撮影でチョイスするであろうレンズを標準ズーム、ワイドズーム、フィッシュアイと3種類用意して水中に持ち込み、同じ場所でほぼ同時に撮影して、画角や表現の違いを比較してみた。今回は同じレンズを使用して、フラッシュを使うワイド撮影での比較を行なった。水中景観と違い、被写体に十分に近づいての撮影になるので、撮影距離の長い水中景観とは異なる感覚を感じていただけるはず。
小型で高性能のミラーレス一眼は、写真の知識がない方にでも簡単に楽しめるように水中専用の撮影モードを搭載しているので、操作が難しそうに感じるデジタル一眼でもほぼフルオートでの撮影が楽しめる。
今月のお手本写真は、真夏の沖縄の高透明度の海で、爽やかさいっぱいのブルーバックを狙って撮影した。
ワイド撮影では、レンズチョイスが成功するコツのひとつと考えられる。できるだけ画角が広いレンズを使い、被写体に目いっぱい近づいて撮影すると、水中の浮遊物によるノイズが少なくなり、遠近感の誇張から迫力が出る写真となる。
水中ではワイドからマクロまで1本で幅広く楽しめるレンズ。標準ポートに収納できるのでコスト的に有利。ワイド撮影を狙う場合、今回紹介した3本のレンズの中では一番画角が狭い。
重さ112gと小型軽量のズームレンズ。街撮りからポートレートまで、普段使いに最適。静止画も動画もスムーズに撮影できる、高速&静音のオートフォーカス"MSC機構"を搭載している。
焦点距離: 14-42mm(35mm判換算 28-84mm相当)
レンズ構成: 7群8枚(非球面レンズ3枚)
マウント: マイクロフォーサーズマウント
画角: 75°-29°
最大口径比/最少口径比: F3.5(14mm)-F5.6(42mm)/F22
最短撮影距離: 0.25m(焦点距離14-19mm) / 0.3m(焦点距離20-42mm)
最大撮影倍率: 0.19倍(35mm判換算 0.38倍相当)
最近接撮影範囲: 91 x 68mm
絞り羽枚数: 7枚(円形絞り)
フィルターサイズ: φ37mm
大きさ: 最大径×全長 φ56.5 x 50mm
質量: 112g
フィッシュアイほどの画角はないが、標準ズームに比べ、広い画角を有するワイドズームレンズ。標準ポートに収納可能。(PT-EP05Lは不可)
風景撮影やスナップ撮影に最適なズームレンズ。超小型なのでコンパクトに持ち歩け、マイクロフォーサーズのパフォーマンスを最大限に引き出す。静止画も動画もスムーズに撮影できる、高速&静音のオートフォーカス"MSC機構"を搭載。
焦点距離: 9-18mm(35mm判換算 18-36mm相当)
レンズ構成: 9群8群12枚(DSAレンズ2枚、非球面レンズ1枚、EDレンズ1枚、HRレンズ1枚など
マウント: マイクロフォーサーズマウント/金属マウント
画角: 100°- 62°
最大口径比/最少口径比: F4.0(9mm)-F5.6(18mm)/F22
最小絞り値: F22
最短撮影距離: 0.25m
最大撮影倍率: 0.1倍(35mm判換算 0.2倍相当)
最近接撮影範囲: 173x130mm
絞り羽枚数: 7枚(円形絞り)
フィルターサイズ: φ52mm
大きさ: 最大径×全長 φ56.5x49.5mm
質量: 155g
水中でのワイド撮影では定番のフィッシュアイレンズ。私の場合、ワイド系の撮影はすべてこのレンズになる。レンズ本体の価格が高額なのと専用のドームポートが必要になるので、お財布にやさしくない。
イクロフォーサーズ初の魚眼レンズ。対角線画角180度の魚眼レンズならではの遠近感やデフォルメ効果などの表現が写真や動画で味わえる。また、EDレンズ1枚を含む9群10枚のレンズ構成により、色収差を最適に補正。安定した高い描写性能を発揮。
インナーフォーカス方式を採用
焦点距離: 8mm(35mm判換算 16mm)
レンズ構成: 9群10枚(EDレンズ1枚)
マウント: マイクロフォーサーズマウント/金属マウント
画角: 180°
絞り形式: 7枚羽根 円形虹彩絞り
開放絞り: F3.5
最小絞り値: F22
撮影可能範囲: 0.1m~∞(撮像面より)
フィルター径: 前面(取り付け不可)、後面(挟み込みタイプ:22mm×22mm)
最大撮影倍率: 0.2倍(35mm判換算:0.4倍)
最大径: φ60.7mm(固定フード部),φ60mm(フード部除く)
全長: 約51.7mm(固定フード先端よりレンズマウント基準面まで)
質量: 約165g
清水 淳 Profile