デジカメ上達クリニック〜第3回 "ボケ"の克服 | PADI
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デジカメ上達クリニック

-第3回- "ボケ"の克服


今月のお手本
◆カメラ:OLYMPUS E-5
◆レンズ:OLYMPUS 50mmF2.0 Macro + EC-20
◆撮影モード:M(マニュアル)
◆絞り値:F4.0
◆シャッター速度:1/2000
◆ISO:200
◆フラッシュ:ON(FP/TTL)
◆WB:水中WB
◆撮影地:フィリピン/セブ
◆仕上がり:VIVID
◆防水ハウジング:NEXUS E5
絞り値を目いっぱい開けて被写界深度をごく薄にセットする。ハゼの目にだけピントを合わせ、水晶体の美しさを表現した。ピントの合う範囲=被写界深度をコントロールするテクを身につければ、ボケを味方につけてファインダーを覗く楽しみを味わえる。被写界深度を理解してボケを味方につけるか? ピンボケ写真で悩むか? それはあなた次第だ。

ボケを防ぐには → 絞りを絞る(Fの数値を大きく)

水中写真においてボケて失敗した写真を検証すると、大きく分けて2つのタイプに分類できる。

現在のデジタルカメラでは、どのメーカーのものでもシャッターを2段階に操作(半押し)し、AF(オートフォーカス)をコントロールして撮影できるようになっている。このシャッターの2段階操作を意識的に行なって撮影しないとピンボケが起きる。陸上では同じ操作をしても、被写体も撮影者も動かないのでボケは発生しにくいのだが、水中は被写体も撮影者も漂うような環境にあるので、正確に操作しなければならない。特にビギナーはそれができずシャッターを一気に押すことが多い。

もう一つのボケの失敗は、シャッター半押しをマスターできてから起きやすい。ピントを被写体に合わせてレリーズを切ったら、微妙にだがボケている。右下の写真のカクレエビはボディーやハサミにはピントがきているが、肝心の目にピントがきていないために、画面から受ける印象はやはり"ピンボケ写真"にしかならない。エビのボディでピントを拾ったら、そのまま半押し状態でピントが合う薄い面を、撮影者が合わせたいポイントまで微調整する。微調整は半押し状態のままカメラを前後させてモニターやファインダー上で判断するしかない。大人の目(=老眼)になったシニアにはつらい作業かもしれないが、液晶モニターより光学ファインダーや電子ファンダーを覗く方が大人の目には簡単なことを覚えておいてほしい。


半押し(AFの作動)を行なわずシャッター一気押しの写真
シャッターは2段階に押すようにする。 1段目でAF(オートフォーカス)が作動し始め、ピントが合うと合焦マークが点灯する。これを確認してから2段目を押して撮影する。一気に押して撮影すると、タイムラグを感じたり、ピントが合わない写真になる。

AFはうまく作動したが、合わせたいポイントが一致しない
クローズアップレンズを使用しての撮影など高倍率のマクロ撮影では、一度被写体の大雑把な部分でピントを合わせて、 半押ししたままの状態でカメラを前後させ、 ピントの面を合わせたいポイントへセットする。それから2段目を押し撮影する。

被写界深度と焦点距離

被写界深度は、焦点距離とワーキングディスタンスで決まる。

焦点距離はレンズの○○mmの数値だが、数値が少ない 8mmFISHEYEは被写界深度が広い。下の写真左を見るとレンズ直前のサンゴから遠くいるダイバーまでビシーッとピントが合うほど、ピントが合う幅が広い。写真右のように数値が大きくなるとピントの合う幅が薄くなる。この写真はサンゴのポリプだが、 ピントの合う幅は0.5mm程度しかない状態だ。

ワーキングディスタンスとはカメラレンズ先端から被写体までの距離のことだが、 被写体から離れて撮影すればピントの合う幅は広く、被写体にメッチャ寄った場合はピントの合う幅は薄くなる。

この理論を理解して撮影に臨めばきっとうまくなるはずだが、「こんな理論覚えるのもめんどくさい!!」という方は、水中での撮影時に「水中ワイドモード」と「水中マクロモード」を、状況に合わせて細かく設定しなおしてもらえればOKだ。水中マクロではピンボケを防ぐようにあらかじめ絞り値を絞って被写界深度を深く取れるように設定してあり、水中ワイドはピンボケが出にくい状況なのでより遠くまでフラッシュ光を照射できるように絞りは開け気味に設定と、かゆい所に手が届くような設計が施されている。

8mm FISHEYE
100mm相当MACRO

失敗フォト+クリニック

オリンパスのPENを使っています。ハゼが好きで大きく撮りたいと思っていたら、量販店の店員さんに「クローズアップレンズをつければかなり大きく撮れるよ!」と言われ、高倍率なクローズアップレンズを購入しました。ですが、ピントが全く合わず困っています。。。
◆カメラ:OLYMPUS E-PL1
◆レンズ:M.ZUIKO 14-42mmF3.5-5.6
◆撮影モード:水中マクロ
◆絞り値:F8.0
◆シャッター速度:1/125
◆ISO:200
◆フラッシュ:ON
◆露出補正:-0.7EV
◆WB:5300K
◆クローズアップレンズ:PCU-01
◆撮影地:バリ
処方
クローズアップレンズは本来の最短撮影距離を、そのレンズをつけることによってさらに短く(より被写体に近づけるように)するためのレンズです。つまり、レンズをつけただけでは大きく写らないのです。この点をよく勘違いするビギナーさんは多いようです。 また、クローズアップレンズを装着した場合、無限遠にピントが合わなくなり、ある一点でのみピントが合う状態になります。 PCU-01は高倍率なレンズなので、レンズの前10cm前後でピントが合う仕様です。ハゼは臆病なので、このレンズを装着したままではピントが合うところまで近づけないでしょう。外してズームを望遠側最大にセット、そのまま寄れるだけ寄って撮影する方法がベストです。

清水 淳 Profile


しみずじゅん。1964年埼玉県生まれ。「水中から見上げた空」をメインテーマに半水面や海辺の風景撮影を撮り続けている。ダイビング専門誌やカメラ関係誌などで執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室《マリーンプロダクト》を主宰。著書に「誰にでも撮れる水中写真」「デジタルカメラで簡単水中写真」がある。社団法人日本写真家協会会員
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