デジカメ上達クリニック〜第39回 撮りたいこの一枚 フィリピン・ボホール/ギンガメアジ編
水中世界の感動を写真を残そう!

デジカメ上達クリニック

-第39回- 各地のダイブサイトで撮りたいこの一枚
フィリピン・ボホール/ギンガメアジ編


今月のお手本
◆カメラ:OLYMPUS O-MD E-M1
◆レンズ:ZUIKO DIGITAL 8mmF3.5 FISHEYE
◆ハウジング:PT-EP11
◆フラッシュ:UFL-2
◆撮影モード:水中ワイドモード
◆絞り値:F7.1
◆シャッター速度:1/250
◆露出補正:-1.3EV
◆ISO:AUTO(200)
◆フラッシュ:ON(-2.3EV RC)
◆WB:水中WB
◆水深:-15m
2014年5月から、各地のダイブサイトで撮りたい水中写真をピックアップして、その撮影手法について解説&紹介していく企画がスタートした。一年を通していろいろなダイブサイトへ撮影に行くが、それぞれのポイントで様々な水中撮影の楽しさに出会う。その時々に感じた気持ちを作品にしながら、いかに簡単に楽しく撮影するにはどうしたら良いか?といった観点で話を進めていきたい。

前々回から、日本から近くてアクセスの良いフィリピンでの撮影を紹介しているが、今回はフィリピン/ボホールで出会える「ギンガメアジの群れ」の撮影について解説する。数あるワイド撮影の中でエキサイティングな醍醐味を味わえるギンガメアジの撮影は、誰もが一度は体験すべきオススメの1シーンだ。

リーフのドロップエッジに群れることの多いギンガメアジだが、当たり外れも多く、必ず出会えるというわけではない。ガイドさんからの情報で出会える確率が高い場所からエントリーする。大きな群れを形成するときもあれば、川のように細長く流れていく場合もある。

狙いはトルネード状に渦巻いて群れているシーンだ。群れを見つけて一気に突っ込むと散ってしまうので、潮上からじっくりとアプローチする。大きな群れを目の前にして、いかに気持ちを抑えられるか否かがポイントだ。

ドロップオフの深い場所にいる場合より、リーフエッジに群れる場合の方が撮影しやすい。
水深が浅く自然光の要素をたっぷりと味方につけられる上、減圧の心配やエアの消費も抑えられるからだ。
大きな群れに出会うと「天気が変わったのか?」と感じるほど、一面がギンガメアジになる場合も。

カメラの設定

使用する撮影モードは「水中マクロモード」。 基本的に水中でのマクロ撮影はこのモードを使う。
カメラのファンクションボタン(FN)に水中モードの呼び出しを割り振って使う。 このモードにセットすれば、難しいチューニングは不必要。 ワンタッチで水中でのマクロ撮影に最適な状態にセットされる。
モニターの左隅に魚1尾のマークが出たらセット完了!
内蔵フラッシュで撮影する場合はISOをAUTOにセットするのを忘れないように行なう。

フラッシュOFFを使う

浮遊物の多い環境なので、フラッシュOFF撮影を積極的に使う。 外部フラッシュを使っている場合は、外部フラッシュをOFFにするのではなく、内蔵フラッシュ自体をOFFにセットする。カメラに自然光主体の撮影をさせるためだ。

フラッシュOFF

フラッシュON

撮影方法

群れに出会えたら、まず落ち着いて周りの環境をよく把握する。水深、エア、バディ、時間。
群れが遠ざかっている場合は、無理して追わない。近づいてくる場合は、撮影準備。露出補正&フラッシュ確認。
撮影の前に、あらかじめ試し撮りをして露出補正をチェックし、背景のブルーの度合いを調整しておく。
フラッシュは普段よりかなり弱めに補正をかけておくと良い。

標準レンズでの撮影

撮影には、超広角のフィッシュアイレンズの使用がオススメだが、標準ズームレンズでも撮影は可能だ。その場合、画角が狭いので、群れ全体を入れ込もうと撮影すると被写体から離れなければならず、ノイジーな写真になる。群れ全体を狙うのではなく、できるだけ近づいて一部分を切り取るようにすると良い。

◆カメラ:OLYMPUS O-MD E-M1
◆レンズ:M.ZUIKO DIGITAL12-50mmF3.5-6.3EZ
◆ハウジング:PT-EP11
◆フラッシュ:UFL-1
◆撮影モード:水中ワイドモード
◆絞り値:F5.6
◆シャッター速度:1/200
◆露出補正:-1.0EV
◆ISO:AUTO(200)
◆フラッシュ:ON(-2.0EV )
◆WB:水中WB
◆水深:-15m



フィッシュアイレンズでの撮影

フィッシュアイレンズを使い、ギリギリまで引きつけて撮影するのがコツ。 群れ全体を撮る場合は、群れが自分に向かってくるような環境で待ちたい。 なかなかその環境を作ることは難しいが、他のチームが群れを押し上げている場合、 その上手で待つとうまくいく場合が多い。

フラッシュ光を使用しての撮影

フラッシュ光が過多になる場合が非常に多い。普段よりマイナス側にフラッシュ補正をセットする。浮遊物も多いので、フラッシュの位置は思い切って後方にセットする。

流れもあるのでアームは長いものを左右一本ずつ用意すると良い。撮影シーンを参考にしてほしい。

失敗フォト+クリニック

群れの写真を撮っていたら、背景が暗くなってしまいました。 露出補正はそれほどかけていなかったのですが。。。
◆カメラ:E-M1
◆レンズ:LUMIX G 8mmFE
◆ハウジング:PT-EP11
◆撮影モード:水中ワイド
◆絞り値:F5.6
◆シャッター速度:1/200
◆露出補正:-1.7EV
◆ISO:200
◆フラッシュ:ON
◆WB:水中WB
処方

同じ露出補正値でも、背景のブルーの面積の割合が多い場合では、補正がかかりやすくなります。

右の写真のように、画面中にギンガメがいっぱい入ってブルーの部分が少ない場合は、露出補正がかかりにくくなります。

背景のブルーの割合が大きく変わる場合は、その都度、露出補正をチェックします。


露出補正-1.7で撮影

清水 淳 Profile


しみずじゅん。1964年埼玉県生まれ。「水中から見上げた空」をメインテーマに半水面や海辺の風景撮影を撮り続けている。ダイビング専門誌やカメラ関係誌などで執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室《マリーンプロダクト》を主宰。著書に「誰にでも撮れる水中写真」「デジタルカメラで簡単水中写真」がある。社団法人日本写真家協会会員
⇒オフィシャルサイト

PADIトラベルネットワーク

ページトップ