前々回から、日本から近くてアクセスの良いフィリピンでの撮影を紹介しているが、今回はフィリピン/ボホールで出会える「ギンガメアジの群れ」の撮影について解説する。数あるワイド撮影の中でエキサイティングな醍醐味を味わえるギンガメアジの撮影は、誰もが一度は体験すべきオススメの1シーンだ。
リーフのドロップエッジに群れることの多いギンガメアジだが、当たり外れも多く、必ず出会えるというわけではない。ガイドさんからの情報で出会える確率が高い場所からエントリーする。大きな群れを形成するときもあれば、川のように細長く流れていく場合もある。
狙いはトルネード状に渦巻いて群れているシーンだ。群れを見つけて一気に突っ込むと散ってしまうので、潮上からじっくりとアプローチする。大きな群れを目の前にして、いかに気持ちを抑えられるか否かがポイントだ。
標準レンズでの撮影
撮影には、超広角のフィッシュアイレンズの使用がオススメだが、標準ズームレンズでも撮影は可能だ。その場合、画角が狭いので、群れ全体を入れ込もうと撮影すると被写体から離れなければならず、ノイジーな写真になる。群れ全体を狙うのではなく、できるだけ近づいて一部分を切り取るようにすると良い。
◆カメラ:OLYMPUS O-MD E-M1
◆レンズ:M.ZUIKO DIGITAL12-50mmF3.5-6.3EZ
◆ハウジング:PT-EP11
◆フラッシュ:UFL-1
◆撮影モード:水中ワイドモード
◆絞り値:F5.6
◆シャッター速度:1/200
◆露出補正:-1.0EV
◆ISO:AUTO(200)
◆フラッシュ:ON(-2.0EV )
◆WB:水中WB
◆水深:-15m
フィッシュアイレンズでの撮影
フィッシュアイレンズを使い、ギリギリまで引きつけて撮影するのがコツ。 群れ全体を撮る場合は、群れが自分に向かってくるような環境で待ちたい。 なかなかその環境を作ることは難しいが、他のチームが群れを押し上げている場合、 その上手で待つとうまくいく場合が多い。
フラッシュ光を使用しての撮影
フラッシュ光が過多になる場合が非常に多い。普段よりマイナス側にフラッシュ補正をセットする。浮遊物も多いので、フラッシュの位置は思い切って後方にセットする。
流れもあるのでアームは長いものを左右一本ずつ用意すると良い。撮影シーンを参考にしてほしい。
同じ露出補正値でも、背景のブルーの面積の割合が多い場合では、補正がかかりやすくなります。
右の写真のように、画面中にギンガメがいっぱい入ってブルーの部分が少ない場合は、露出補正がかかりにくくなります。
背景のブルーの割合が大きく変わる場合は、その都度、露出補正をチェックします。
清水 淳 Profile