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デジカメ上達クリニック

-第63回- コンパクトデジタルカメラTG-5&PT-058/HOW TO FUN⑤


コンパクトカメラでここまできれいな水中写真が撮れることに、ただ驚いている。ソフトコーラルの透明感のある発色と背景のブルーのバランスが素晴らしい。

カメラ:OLYMPUS TOUGH TG-5
防水ケース:PT-058
フラッシュ:UFL-3
ブラケット:MPBK-02
アーム:MPアームL&フロート
撮影地:モルディブ

撮影モード:水中ワイドモード
フラッシュ:ON(RC/-0.3EV)
ホワイトバランス:水中WB
絞り値:F3.2
シャッター速度 1/60
露出補正:-1.7EV
感度:ISO200

2018年1月から、初心者からプロダイバーまで幅広く、しかも世界中のダイバーに人気の防水デジカメ「TG-5&PT-058」を使った楽しみ方を紹介している。前回は、水中マクロモードについて解説したが、今回は水中ワイドモードの使い方について解説する。

水中での撮影では、このカメラの大きな特徴である「水中に特化したカメラ」の機能である水中モードを使う。

TG-5は4つの水中モードを備えているが、それぞれのモードに守備範囲があり、撮りたいシーンに合わせて選択すると、難しい操作がなくなり撮影に集中できる。今回はその4つの水中モードの中から「水中ワイドモード」を選ぶ。

水中ワイドモード

このモードは、その名の通り水中でワイド撮影をする場合に使うモードだ。水中スナップがフラッシュOFF時に使うモードなのに対し、水中ワイドモードは基本的に内蔵フラッシュ光を被写体に照射させて、明るさや色彩を確保するようにカメラがセットアップされる。ズームも自動で画角が最大になるようにセットされる。ピントは、カメラが主要な被写体を自動で検出して合わせる「全点オートフォーカス」にセットされる。動きの速い被写体にも対応できるので、カメラを信じてシャッターを押すだけでピントの合ったシャープなワイド写真が手に入る。メニューから1点のみのAFに変更も可能だ。初期設定以外に、ホワイトバランス、露出、フラッシュ量を自由に選ぶことが可能なので、好みに合わせて表現できる。

撮影の準備

カメラを防水プロテクターに入れて電源ON。ダイヤルを水中モードに合わせたら、十字キー左ボタンを押す。水中4モードが全て呼び出せる画面に入るので、そこから水中ワイドモードを選択する。水中モード間の移動はこの手法が便利だ。
画質は、色味が気になり、いろいろと後から修正が必要な方は「RAW+LSF」を選んでおこう。撮影後に純正ソフトでホワイトバランスを入れ替えたり、赤みを少し抑えたりする修正を、RAW現像を使って後処理ができるので便利だ。修正が必要のない方は「LSF」。
画質を落としすぎるとコンテストへの出品や大判サイズのプリントに対応ができなくなる。
その他の設定は、カメラの初期設定のままでOK。

アクセサリー

浮遊物が多い環境で撮影する場合は、純正外部フラッシュUFL-3を用意したい。本格的なワイド撮影にチャレンジするなら外付けのワイドコンバージョンレンズも欲しいところだ。純正のPTWC-01がオススメだが、さらに広い画角を望むならTG-5専用に開発されたUWL-400を用意したい。

UWL-400
画像4隅のケラレもなく軽量で小型なところがうれしい専用設計。

MPLH-52
撮影時にレンズキャップがレンズの前をフラフラして撮影の邪魔になることがある、レンズホルダーMPLH-52を装着しておくと、キャップやコンバージョンレンズをホールドしておけるので撮影に専念できる。

TG-5&PT-058

グリップ:MPBK-03、レンズホルダー:MPLH52

 
表現力のアップ その1/ 露出補正

露出補正を使うと、写真全体の明るさを調整できる。特にワイドの場合は背景のブルーのコントロールが可能になる。背面のコントロールダイヤルを動かすことで0.3EV刻みで±2.0EVまでの補正が可能。初期設定は±0.0EV

露出補正±0.0EV
水中ワイドモード/フラッシュON
水中WB F2.8 S1/640 ISO100
好みの明るさに調整する。

露出補正+1.0EV

露出補正±0.0EV

露出補正-1.0EV

露出補正-2.0EV
表現力のアップ その2/ フラッシュ補正

フラッシュ補正を使うと、フラッシュの発光量のコントロールが可能になる。フラッシュの量を変えると表現に幅が出てくる。呼び出し方は、OKボタンを押して十字キーを操作してフラッシュ補正を呼び出す。発光量によって発色が変わってくる。0.3EV刻みで±2EVまでの補正が可能。

露出補正±0.0EV
水中ワイドモード/フラッシュON
水中WB F2.8 S1/640 ISO100

フラッシュ補正+2.0EV

フラッシュ補正+1.0EV

フラッシュ補正±0.0EV

フラッシュ補正-1.0EV

フラッシュ補正-2.0EV
水中ワイド撮影にあると便利なアクセサリー

純正外部フラッシュ:OLYMPUS UFL-3
小型両手ブラケット:MPBK-02&MPアームS

小型片手ブラケット:MPBK-03
レンズホルダー:MPLH-52
水中マクロ撮影にあると便利なアクセサリー

TG-5専用ワイドコンバージョンレンズ:UWL-400

レンズホルダー:MPLF52
外部フラッシュUFL-3の設定

内蔵フラッシュをそのまま使う場合はフラッシュのモードは「発光」
外部フラッシュUFL-3を使う場合は「RC/リモートコントロール」にセットする。OKボタンを押してライブビューコントロールを呼び出すと、フラッシュの設定画面が出せる。
水中ワイド撮影での色空間の設定

カラー設定は通常sRGBを選ぶのだが、ワイド撮影時に背景のブルーの抜けを良くするためにAdobe RGBを選ぶと良い場合が多い。特に太陽などの光源が入るシーンで顕著になる。
色空間設定の発色の違い

Adobe RGB
ブルーの階調が滑らかになる

sRGB
ブルーの階調に段差ができる
ワイドコンバージョンレンズを使った場合の画角設定

ワイドコンバージョンレンズを使う場合には、画像4隅のケラレを解消するためにアクセサリーの設定を行なう。純正のワイドコンバージョンレンズPTWC-01を使う場合はPTWC-01を選ぶ。画角を少し狭めて解消させている。

TG-5専用設計されたUWL-400は画角を狭めなくてもケラレが出ないのでアクセサリーOFFでOK。
ワイドコンバージョンレンズを使った場合のケラレ現象

画像4隅のケラレを解消するには アクセサリーの設定を施すほかに、ズームレバーを操作して画角を少し狭める方法もある。どちらにも一長一短がある。ズームを1.1倍にセットするとアクセサリーPTWC-01にセットした状況と同じ画角にセットされる。


ケラレなし

ケラレあり
水中撮影

画角を狭めることなく主要な被写体に近づいてはっきり大きく写したい。

数多く撮影して確率を上げるのが一番の得策。露出補正とフラッシュ補正のコントロールを理解して身につける。

バッテリーの消費が激しい撮影になるので、2ダイブを目安にバッテリー交換を。予備バッテリーと専用充電器は必ず用意したいアクセサリーだ。


水中ワイドモードで被写体にジックリ近づいて綺麗な背景ごと切り撮る手法。
TG-5&PT-058単体で狙いたいシーンのひとつだ。内蔵フラッシュで十分きれいに撮れる。

カメラ:OLYMPUS TOUGH TG-5
防水ケース:PT-058
撮影地:沖縄/慶良間

撮影モード:水中ワイドモード
フラッシュ:ON/0.0EV(内蔵)
ホワイトバランス:水中WB
絞り値:F2.8
シャッター速度 1/320
露出補正:0.0EV
感度:ISO100

臆病なサメも小さなカメラでゆっくり近づくと逃げられずに迫力のある大きさに撮れた。
ズームを望遠側にしたくなるシーンだがシャープに写すには寄りが必要。

カメラ:OLYMPUS TOUGH TG-5
防水ケース:PT-058
撮影地:コスタリカ

撮影モード:水中ワイドモード
フラッシュ:ON/0.0EV(内蔵)
ホワイトバランス:水中WB
絞り値:F2.8
シャッター速度 1/80
露出補正:0.0EV
感度:ISO100

露出補正を-2.0までマイナスにかけて背景のブルーを引き出す。2灯フラッシュの位置を調整して
カラフルなソフトコーラルを透明感いっぱいに仕上げる。

カメラ:OLYMPUS TOUGH TG-5
防水ケース:PT-058
撮影地:モルディブ

撮影モード:水中ワイドモード
フラッシュ:ON/(RC-03EV)
ホワイトバランス:水中WB
絞り値:F3.2
シャッター速度 1/125
露出補正:-2.0EV
感度:ISO125

流れがあるシーンならキンギョハナダイもサンゴの間に隠れず表に出てくる。
体がサンゴにぶつからないようにカレントフックをセットして、時間をかけてジックリと狙った。

カメラ:OLYMPUS TOUGH TG-5
防水ケース:PT-058
撮影地:モルディブ

撮影モード:水中ワイドモード
フラッシュ:ON/(RC-0.3EV)
ホワイトバランス:水中WB
絞り値:F3.2
シャッター速度 1/125
露出補正:0.0EV
感度:ISO100

ケーブの中には真っ赤な魚がいっぱい詰まっていた。少し強めにフラッシュを当てて赤さを強調した。波形のブルーが綺麗に出るように露出補正を数パターン試して仕上げる。

カメラ:OLYMPUS TOUGH TG-5
防水ケース:PT-058
撮影地:モルディブ

撮影モード:水中ワイドモード
フラッシュ:ON/(RC-0.3EV)
ホワイトバランス:水中WB
絞り値:F3.2
シャッター速度 1/60
露出補正:-1.7EV
感度:ISO200

大きなマンタもAFがしっかり仕事をしてくれるのでピント合わせを気にせずに構図とフレーミングに専念できる。マンタが出現するダイブサイトは浮遊物があることが多いので、長いアームを用意したい。

カメラ:OLYMPUS TOUGH TG-5
防水ケース:PT-058
撮影地:インドネシア

撮影モード:水中ワイドモード
フラッシュ:ON/(RC-0.3EV)
ホワイトバランス:水中WB
絞り値:F3.2
シャッター速度 1/60
露出補正:0.0EV
感度:ISO125

尻尾に真っ赤なマークがあるチョウチョウウオ。モルディブに行ったら撮りたい被写体の一つ。
いい感じに群れているタイミングで撮りたいのだがなかなか上手くいかない。流れがある環境なら近づきやすい。

カメラ:OLYMPUS TOUGH TG-5
防水ケース:PT-058
撮影地:モルディブ

撮影モード:水中ワイドモード
フラッシュ:ON/(RC-0.3EV)
ホワイトバランス:水中WB
絞り値:F3/2
シャッター速度 1/125
露出補正:-1.7EV
感度:ISO160

仲間内ではタイガースと呼ばれている魚。、群れているので絵になりやすい。
濃いめの背景に黄色いラインをかっこよく浮き立たせたい。

カメラ:OLYMPUS TOUGH TG-5
防水ケース:PT-058
撮影地:モルディブ

撮影モード:水中ワイドモード
フラッシュ:ON/(RC-0.7EV)
ホワイトバランス:水中WB
絞り値:F3.2
シャッター速度 1/320
露出補正:-1.7EV
感度:ISO100

清水 淳 Profile

しみずじゅん。1964年埼玉県生まれ。
水中写真や海辺の風景を撮り続けている。デジタルカメラの研究開発に携わり、執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。著書に「誰にでも撮れる水中写真」「デジタルカメラで簡単水中写真」がある。PADIJAPAN水中写真連載コラム、オリンパス水中デジカメインプレッション、オリンパスデジタルカレッジ講師、をはじめ写真講座やセミナーなどの講演で活躍中!
公益社団法人日本写真家協会会員
近年の写真展は、
2016/08田園調布Deco`sDogCafe「SUMMER」
2017/08田園調布Deco`sDogCafe「SUMMER」
2017/11オリンパスギャラリー東京「UNDERWATER PHOTOGRAPHER」
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