2018年1月から、初心者からプロダイバーまで幅広く、しかも世界中のダイバーに人気絶頂の防水デジカメ「TG-5&PT-058」を使った楽しみ方を紹介している。
水中での撮影では、このカメラの大きな特徴である「水中に特化したカメラ」の機能である水中モードを使う。
通常は各種水中モードを使い分けるが、極小な被写体を顕微鏡撮影のように拡大して撮影をするテクニックを前回紹介させていただいた。
今回は水中顕微鏡モードを使っても「まだ倍率が足りない!」と言ったスーパー極小の被写体の撮影について解説したい。
前回紹介した清水オリジナル水中顕微鏡モードは、光学的に倍率を上げて撮影していたのだが、今回紹介する顕微鏡コントロールは、顕微鏡撮影機能に加えてデジタル的に拡大させる機能を使う。ワンプッシュで、「デジタル拡大なし」「デジタル拡大2倍」「デジタル拡大4倍」と拡大倍率が変えられる。もちろんデジタル的に拡大するので、倍率が上がると同時に画質は荒くなる。顕微鏡で対物レンズを回しながら交換するような感覚で撮影することから「顕微鏡コントロール」と呼ばれている。この顕微鏡コントロールも水中撮影向けにチューニングしてカスタムボタンに登録しておけば、毎回複雑なセットアップを施さずに済む。前回の顕微鏡モードと異なる点は、
●アスペクト比が2:3に固定される。
●内蔵フラッシュの自動光量調整(TTL)が使えない。純正外部フラッシュのTTL撮影はOK、純正フラッシュ以外の外部フラッシュはマニュアル発光。
撮影手法
被写体にぶつかる程に寄って撮影する手法なので、カメラをしっかりと左手でホールドする。
ズームは、被写体をモニター上に捉えるまでは、やや広角側にセットしておき、被写体を捉えたら徐々に最大倍率にセットすると、被写体をモニター上で捉えやすい。慣れてきたらズームを最大にしたままでも良いだろう。
倍率が上がるため、ピント合わせは難しく、呼吸で体が浮くたびにピントが外れやすい。
ピント合わせは、オートフォーカスでいけることが多いが、同一被写体で数多く撮影する場合や微妙なピント合わせが要求される場合は、マニュアルフォーカスを選択することも可能だ。その場合、ピントの山をつかみやすくするフォーカスアシスト機能を使うと便利だ。
露出の調整は、LEDライトはライトの光量の増減&露出補正でコントロールする。
今回の作例は全て水中撮影用小型LEDによる撮影。
アクセサリー
超小型の水中撮影用ライト/RGBlue System03PC
小型軽量グリップベース&アーム/ MPBK-02&MPアームS
水中用マグニファインダー/RGBlue RMGF-1スクリーンマグニファイヤー
MPLH-52
撮影時にレンズキャップがレンズの前をフラフラして撮影の邪魔になることがある、レンズホルダーMPLH-52を装着しておくと、キャップやコンバージョンレンズをホールドしておけるので撮影に専念できる。
超微小な被写体を拡大して大きく撮影したいときに便利な清水オリジナル/水中顕微鏡コントロールのセットアップ。このセットアップをカスタムチャンネルに登録するといつでもワンタッチで呼び出せる。ダイヤルをC2にセットすればOK。
外部フラッシュを使用するとき、純正のUFL-3を使う場合はRCを選択。社外品のフラッシュを使う場合やUFL-1は内蔵フラッシュの発光量を1/64にセットする。外部フラッシュの光量をコントロールして適正露出を探る。
水中顕微鏡コントロール撮影ではLED撮影をお勧めしたい。モニターで被写体を確認しながら行なうピント合わせがやりやすい。見たままに撮影ができる。シニアの方は水中用拡大鏡が便利だ。
シニアの方はマクロ撮影が苦手。近くが見えないのでカメラのモニターに目を近づけて見ることができないのだ。
左:シニアの目である私が懸命に目を凝らし、モニターに限界まで近づいて、ピントが合う距離が35cmくらい。
中:水中拡大鏡を使ってみた場合、ここまで大きく見える。これなら私でも超マクロ撮影が楽しめる。
右:一眼を覗くようようなタイプもある。(UMG-01)
MFでピントをコントロールするときは、MF(マニュアルフォーカス)アシスト機能が便利だ。拡大は、MF時に希望するポイントを拡大表示させる機能。ピーキングはフォーカスが合っているポイントを色を変えて表示させる。水中では拡大は使いづらいのでOFF、ピーキングをセットするとピントが合った場所を表示してくれる。
清水 淳 Profile