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デジカメ上達クリニック

-第66回- コンパクトデジタルカメラTG-6&PT-059/HOW TO FUN①


TG-6の水中での発色はTG-5を更に磨き込んで透明感と鮮やかさが増している。ミラーレス機に迫る性能を感じる。

カメラ:OLYMPUS TOUGH TG-6
防水ケース:PT-059
フラッシュ:UFL-3
ブラケット:MPBK-02
アーム:MPアームS
レンズホルダー;MPLH52
ワイドコンバージョンレンズ:UWL-400
撮影地:モルディブ

撮影モード:水中ワイド
フラッシュ:ON-0.3EV(RC)
ホワイトバランス:水中WB標準
絞り値:F3.2
シャッター速度 1/320
露出補正:-1.7EV
感度:ISO100

2018年1月から、初心者からプロダイバーまで幅広く、しかも世界中のダイバーに人気絶頂の防水デジカメ「TG-5&PT-058」を使った楽しみ方を紹介してきたが、2019夏に新型のTG-6&&PT-059がデビューした。外観はTG-5&PT-058からさほど変化はないように見えるが、水中撮影がさらに楽しくなりそうな新機能を沢山に搭載しているようなので、今回からこのTG-6&PT-059を使った水中写真の楽しみについて解説する。
まずは、TG-6がどんなカメラなのか?水中撮影においてTG-5と比べて何処が変わったのか解説したい。

カメラのボディーサイズ、搭載されているズームレンズ、画像処理エンジン、イメージセンサー、バッテリーはTG-5と同じ。 TG-5の46万ドットの3.0型モニターが104万ドットの高精細タイプに変更されて、きれいで明るく確認しやすいモニターへ変更された。

細かい部分のピント合わせも視認性が良いのでやり易い。モニターをカバーする背面のガラスも厚く水圧に強く変形し難くなった。 それに伴ってモニターの厚み、サイズが変わったために収納する防水プロテクターもそれに合わせて新設計されPT-059へとモデルチェンジとなっている。 更に、イメージセンサー上のシールガラス両面にARコートが施され、ゴーストやフレアの発生を抑えている。逆光での撮影時に大きな効果がある。
また、TG-4に有って、TG-5では非搭載だったデジタルテレコンが搭載された。 デジタル的に2倍の大きさになるので臆病な被写体の撮影が遠方から可能になるので、ハゼやガーデンイールなどの撮影が楽しめるようになる。

強化された水中撮影機能では、水中ホワイトバランスが浅瀬用、標準、ディープダイビングと細分化され使用シーンに合わせて最適な設定が可能になる。 赤みが強くなりがちだった明るい浅瀬のシーンでの撮影や,やや深い水深でのムービー撮影はTG-5に比べて大きく差が出る部分だ。 全体的な水中での発色も、細部に渡って見直しが図られ今まで以上に鮮やかで透明感のある仕上がりになっている。
水中シーン用にチューニングされた「水中顕微鏡モード」が用意されのたで、水中モードの切り替えのみで水中ワイド、水中マクロ、水中顕微鏡モードとダイヤルを動かすことなくワンタッチで撮影モードの切り替えが行えることになるのは非常に便利だ。 水中マクロモードでアプローチしたら意外に被写体が小さく、もっと被写体に近づかなければならない時に、モニターを被写体に向けたまま視線をそらすことなく、十字キーボタンを押すだけで、水中顕微鏡モードに変更が可能。今まで取り逃がしていた被写体もこれなら上手くいきそうだ。
ムービー関係では、TG-5では水中モードで4K撮影を選択できなかったが、TG-6はそれが可能になった。水中モードの画質と発色を保ったまま4Kムービーを単しめるのは大きな進歩だ。
新たに用意されるアクセサリーでは充電時間が現行品の半分になった専用充電器「UC-92」や、ズーム位置の変更で全周魚眼から対角魚眼の両方の撮影が可能なコンバージョンレンズ「FCON-T02」は今までにない表現の方法を楽しめる。

モニターの耐圧性能が強化された

左がTG-6,右がTG-5。モニターが水圧によって歪みにくい。
深度下での単体撮影でモニターが見やすくなった。TG-5は水圧でモニターが押されているのがわかる。

3つの水中ホワイトバランス

TG-5に搭載されていた水中ホワイトバランスはTG-6の「水中ホワイトバランス標準」に相当する。
TG-6では新たに「水中ホワイトバランス浅瀬」「水中ホワイトバランスディープダイビング」が追加された。
新しいホワイトバランスの目的は、水中での青被りに対しての補正を強めたり、弱めたりすること。 水中スナップでの初期設定は「浅瀬」、水中ワイド、水中マクロ、水中顕微鏡、水中HDRは「標準」にセットされる。 環境や好みの仕上がりによって、3つの水中ホワイトバランスを選びセットすることも可能だ。


水中浅瀬

水中標準

水中ディープダイビング
浅瀬の自然光撮影 / 水中スナップ フラッシュOFF

TG-5では、明るい環境での自然光撮影時にやや赤味がみられる傾向だったが、TG-6ではホワイトバランスの選択で好みの色合いに仕上げることが可能。水中スナップモードで初期設定でホワイトバランスが「浅瀬」に設定される。


水中ホワイトバランス浅瀬

水中ホワイトバランス標準

水中ホワイトバランスディープダイビング
水深18mの自然光撮影 /水中スナップ フラッシュOFF

撮影環境にもよるが、水深18mでのフラッシュOFF自然光撮影でも水中ホワイトバランスディープダイビングをセットすることによって青被りを解消して自然な仕上がりが期待できる。 好みや環境、条件に合わせて3つの水中ホワイトバランスを選ぶことが可能だ。 浮遊物が多い環境での自然光撮影やムービー撮影がさらに楽しくなる。


水中ホワイトバランス浅瀬

水中ホワイトバランス標準

水中ホワイトバランスディープダイビング
水深15mの自然光撮影 / 水中マクロ フラッシュOFF

マクロ撮影においてもその効果が期待できる。水深15mでの自然光撮影。
フラッシュ光を嫌う被写体の撮影や自然光で柔らかく仕上げたいシーンにも役立ちそうだ。


水中ホワイトバランス浅瀬

水中ホワイトバランス標準

水中ホワイトバランスディープダイビング
水深18mのフラッシュ撮影 / 水中ワイド フラッシュON

フラッシュON時の青被り補正効果は、標準に対して浅瀬はやや赤の補正具合が弱くなる。 ディープダイビングと標準との比較では差がないので、フラッシュON時に水中ホワイトバランスディープダイビングを選択しても補正の効果が強くなることはないようだ。 フラッシュ光が照射されるので必要以上に赤くならないように制御しているのが確認できた。フラッシュONでの人物撮影でマスク越しの顔が赤くなるシーンでは「水中ホワイトバランス浅瀬」を選ぶと解決する。


水中ホワイトバランス浅瀬

水中ホワイトバランス標準

水中ホワイトバランスディープダイビング
デジタルテレコン

TG-4まで搭載されていたデジタルズームがTG-5では非搭載になりハゼ撮影フリークには残念なカメラとなっていたが、TG-6ではデジタルテレコンとして使えるようになった。ただし、水中モード内では使用できないので、Pモードでカスタムチャンネルに水中用の設定を登録して使う。(次回以降セッティングの詳細をを解説する。)


デジタルテレコン OFF

デジタルテレコン ON
デジタルテレコン

光学ズームではないので多少の画質の劣化は見られるが以前のデジタルズームの画質に比べると、格段に画質が良くなっている。


デジタルテレコン OFF

デジタルテレコン ON
水中顕微鏡モード

TG-5ではカスタムチャンネルに水中用の設定を登録して使っていた清水オリジナル水中顕微鏡モードが、標準の水中モードとして搭載された。使い勝手は同じだが、ダイヤルを動かすことなく、他の水中モードで撮影時に「十時キー左ボタン」を押すだけで瞬時に呼び出せる。水中プロテクターのレンズ面直前からピントが合うので、極小の被写体も迫力の大きさに撮影することが可能だ。TG-6の内蔵フラッシュを使っても撮影が可能なのでマクロ撮影の領域がかなり広がる。


 

TG6 / 水中顕微鏡モード/内蔵フラッシュ使用
全周魚眼レンズが新しく用意される

TG-6ボディー本体に取り付けるアクセサリーなので防水プロテクターPT-059に接続はできない。新しい表現が楽しめる。ズーム位置によって全周魚眼、対角魚眼と異なる画角が楽しめる。今までには無い表現方法なので斬新に感じられる。


全周魚眼

対角魚眼
コンバージョンレンズ「FCON-T02」

取り付けには専用のアダプターCLA-T01を使用する

ムービー撮影

TG-5で4Kムービー撮影をする場合はダイヤルをムービーにセット,4Kを選択していたので水中モード特有の発色が得られなかった。TG-6にはダイヤルにムービーの項目がなくなった。水中モードのまま4K30Pを選択できる。これは便利だ。水中モードの色調や仕上がりをキープしたままムービー撮影が可能だ。使いたい水中モードのまま、希望する画質とサイズを選び、録画ボタンを押すだけでムービー撮影が楽しめる。4K撮影では、ビットレート(データー量)が高い撮影になるので記録するSDカードは、UHS-1 /UHSスピードクラス3のカードを使用すること。
カードの性能が低いと撮影ができない。(カメラがエラーを起こし撮影が止まる。カメラの故障ではないので注意が必要)

清水 淳 Profile

しみずじゅん。1964年埼玉県生まれ。
水中写真や海辺の風景を撮り続けている。デジタルカメラの研究開発に携わり、執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。著書に「誰にでも撮れる水中写真」「デジタルカメラで簡単水中写真」がある。PADIJAPAN水中写真連載コラム、オリンパス水中デジカメインプレッション、オリンパスデジタルカレッジ講師、をはじめ写真講座やセミナーなどの講演で活躍中!
公益社団法人日本写真家協会会員
近年の写真展は、
2016/08田園調布Deco`sDogCafe「SUMMER」
2017/08田園調布Deco`sDogCafe「SUMMER」
2017/11オリンパスギャラリー東京「UNDERWATER PHOTOGRAPHER」
2017/12オリンパスギャラリー大阪「UNDERWATER PHOTOGRAPHER」

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