自然写真家・高砂淳二が贈る「素晴らしき海の世界」 -第25回- 「イルカに出合える海2」
自然写真家・高砂淳二氏が贈る

素晴らしき海の世界

-第25回- イルカに出合える海2

ハワイ島沖でマダライルカの群れに出合った。その中の1頭が、僕らと合ったのが嬉しくてたまらなかったようで、ボートにまとわりついて離れなかった。"ボートに飛び乗りたい"、そんな勢いで、ボートのすぐ脇でハイジャンプ(上写真)を繰り返していた(これはとても珍しい!)。まるで「うれション」寸前の犬のようだった。

以前よりも、イルカが人間に近寄って来てくれているのかもしれない、と最近思う。

僕が水中写真の仕事を始めて間もない、今から27~28年前ごろは、世界広しと言えどもイルカと自由に泳げる海などというのは、ほとんどなかった。情報もそんなに回らない時代だったこともあるのかもしれないけれど、水中でイルカがきちんと写せただけで、「凄い!」と言われたりしたものだ。

今はバハマのドルフィンクルーズや御蔵島でのドルフィンスイムで、当たり前のように素晴らしい写真を撮れるようになった。イルカとの新しい時代になったような感じだ。

僕はハワイに長く通って、海や陸の自然の写真を撮り続けている。ハワイの島々にもイルカが多く棲んでいて、ここ数年ドルフィンスイムが観光客の間でだいぶ知られてきている。

ハワイのドルフィンスイムのスタイルは、もちろんボートで海に出て、というのはあるけれど、海辺から泳いでイルカのいるところまで行き、イルカたちと一緒に泳ぐ、という形も多い。

ハワイの島々には、ところどころに静かな入り江があって、イルカたちの恰好の休息場所になっている。そこに静かに泳いでいくと、イルカたちはわりとそんなドルフィンスイマーたちを受け入れてくれて、一緒に泳いでくれる、というわけだ。 このやり方だと、イルカたちが嫌ならスイマーとの距離を簡単にとれるので、彼らにストレスを与えないで済む。しかも、このハワイの海での相手は、普通あまり一緒に泳いでくれないとされるハシナガイルカなのだ(写真)。

やっぱり人とイルカは仲よくなってきているんだなあ、と改めて思う。

高砂淳二プロフィ-ル

たかさご じゅんじ。自然写真家。1962年、宮城県石巻市生まれ。 ダイビング専門誌の専属カメラマンを経て1989年に独立。 海の中から生き物、風景まで、地球全体をフィールドに、自然全体の繋がりや人とのかかわり合いなどをテーマに撮影活動を行っている。 著書は、月の光で現れる虹を捉えたハワイの写真集「night rainbow ~祝福の虹」(小学館)をはじめ、「虹の星」、「free」、「BLUE」、「life」(ともに小学館)、「ハワイの50の宝物」(二見書房)、「クジラの見る夢 ~ジャックマイヨールとの海の日々~」(七賢出版)、「南の夢の海へ」(PIE BOOKS)など多数。 2011年5月には、ハワイの写真集「Children of the Rainbow」(小学館)が発売された。 「太平洋島サミット記念写真展"PACIFFIC ISLANDS"(コニカミノルタ・プラザ)」 、ザルツブルグ博物館、渋谷パルコ、阪急百貨店など、写真展多数開催。

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