自然写真家・高砂淳二が贈る「素晴らしき海の世界」 -第27回- 「アシカに出合える海」
自然写真家・高砂淳二氏が贈る

素晴らしき海の世界

-第27回- アシカに出合える海

2年ほど前まで、我が家ではラブラドール犬を飼っていた。遊び好き、甘え好きで、いつも、いかにして人に遊んでもらうか、構ってもらうか、そしていかに食べ物にありつくか、ということを考えていた。人が大好きで、誰が訪ねてきてもすぐに尻尾を振って寄っていき、遊ぼうよ、構ってよ、というラブコールを発した。

そんな犬と暮らせば暮らすほど、アシカと似ているなあ、とよく思った。海で出合うアシカたちはもちろんペットではないので、警戒心もあればテリトリー意識も強い。でも、遊びたい気持ちや構ってもらいたい様子は、まさに海の中でラブラドールを見ているかのように思えた。

そんな犬と暮らせば暮らすほど、アシカと似ているなあ、とよく思った。海で出合うアシカたちはもちろんペットではないので、警戒心もあればテリトリー意識も強い。でも、遊びたい気持ちや構ってもらいたい様子は、まさに海の中でラブラドールを見ているかのように思えた。

それに加えて、ご存じのようにアシカの顔形や歯の生え具合などもまさに犬そっくり。ただ海の中では人間はヨチヨチ泳ぎで、アシカの方が、まさに“水を得たアシカ”なので、犬よりもこちらに対して優越感を持っているようではある。

そんなアシカと泳ぐのは、ただ一方的に魚を観察するよりも僕は遥かに好きだ。

何年か前ラパスに行った時、はぐれゾウアザラシが、アシカのテリトリー付近でうろうろしていた。まだ若者だったようで、人恋しさも手伝ってか急にダイバーに無理やり抱きついたりしていたようだった。以前、鴨川シーワールドの水槽で、先輩水中カメラマンがゾウアザラシにガラスに押しつけられ、ヒゲで顔をグリグリされて心底参っていたが、巨大な生物の人懐っこさも、そこまではちょっと勘弁して欲しいと思う。

僕が初めてそんなアシカと遊んだのは、オーストラリアのパース近郊の海でのこと。浅い海でこちらの顔を至近距離で覗きに来たときには、正直、恐怖心もあり驚いた。

その後、メキシコのラパスで底抜けに明るいアシカの子どもたちに出合い、そのやんちゃぶりにあっけに取られ、すっかりファンになってしまった。ラパスのアシカたちの遊びは、その後どんどんエスカレートしていき、前回などはこちらのスキをみてフィンを脱がせて持っていく、なんてこともされる歯目になった。まるでラブラドールがスリッパを持っていってしまうかのようではないか!

ぜひ皆さんもアシカ天国に行ってみてほしい。

高砂淳二プロフィ-ル

たかさご じゅんじ。自然写真家。1962年、宮城県石巻市生まれ。 ダイビング専門誌の専属カメラマンを経て1989年に独立。 海の中から生き物、風景まで、地球全体をフィールドに、自然全体の繋がりや人とのかかわり合いなどをテーマに撮影活動を行っている。 著書は、月の光で現れる虹を捉えたハワイの写真集「night rainbow ~祝福の虹」(小学館)をはじめ、「虹の星」、「free」、「BLUE」、「life」(ともに小学館)、「ハワイの50の宝物」(二見書房)、「クジラの見る夢 ~ジャックマイヨールとの海の日々~」(七賢出版)、「南の夢の海へ」(PIE BOOKS)など多数。 2011年5月には、ハワイの写真集「Children of the Rainbow」(小学館)が発売された。 「太平洋島サミット記念写真展"PACIFFIC ISLANDS"(コニカミノルタ・プラザ)」 、ザルツブルグ博物館、渋谷パルコ、阪急百貨店など、写真展多数開催。

◆高砂淳二 オフィシャルウェブサイト http://www.junjitakasago.com
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