PADI TecRecでダイビングの新たなステージへ-第17回- サイドマウントの「マウント」って?

PADI TecRecでダイビングの新たなステージへ

-第17回- サイドマウントの『マウント』って?

このところ、シリンダーをしっかりと「マウント」せずに「ぶら下げている」だけの写真をSNS等で見かけることがあります。またブログなどに同様の写真や動画が掲載されているということを耳にすることもあります。そこで今回は、レクリエーショナル・ダイビングの範囲のことではありますが、テック・サイドマウントの基本でもあるので、サイドマウントに関する「マウント」という意味合いについて述べてみたいと思います。

「マウントする」とは?

サイドマウントは英語でSidemount、すなわちSide(横)にmount(マウント)するということです。サイドマウントに対し、従来からあるシリンダーを背中に背負う状態をBackmount(バックマウント)と言いますが、バックかサイドかの違いがあるだけで、いずれもシリンダーをマウントしなければなりません。

そこで、この「mount」という単語を辞書で調べてみると「装着する、据え付ける、固定する」等が表記されています。つまり、我々がダイビングでシリンダーをマウントするという意味は、一言で言えば「シリンダーをしっかりと固定する」ということであり、それが体の後ろなのか横なのかの違いがあるだけです。もしバックマウントでのダイビング中、背中のシリンダーがグラグラしたままの状態であれば、泳ぎにくいだけでなく、時として危険にもなる可能性があることは、多少ダイビングの経験があれば容易に想像がつくことでしょう。

サイドとバックのマウントの違い

サイドにマウントする場合も、バックにマウントする場合と同様にしっかりとシリンダーを固定しなければなりませんが、残念ながらバックマウントとまったく同じように完全にぴったりとシリンダーを体に密着させることは困難です。それはシリンダーにある程度の大きさ(長さと太さ)があるために泳ぐ際の脚の動きに干渉してしまうことと、そもそも水の中で取り付け/取り外すため、ある程度体への密着度を犠牲にしても着脱がスムーズにできなければならないからです。

シングル・シリンダーのバックマウントの場合、通常はベルト1本でシリンダーを固定すればおしまいです。

サイドマウントの場合、その利点を生かすには、トリムを簡単に維持できるようにするために、シリンダーが水平の状態になり、かつ着脱がスムーズにできる状態で、しっかりマウントするようにしなければなりません。

ポイントは器材コンフィグレーションとシリンダーの選択

そこで重要なのが器材コンフィグレーションです。専用のBCD/ハーネスを使用し、クリップ及び伸縮性のある素材を上手く利用し、何度も位置/角度を調整しては直す、調整しては直す、を繰り返し、上記のゴールを達成できる、自分に適切なコンフィグレーションを作り上げなければなりません。これは時間がかかることであり、バックマウントのようにベルト1本で固定すればよし、とはなりません。多少忍耐が必要な部分です。

また、シリンダーの選択も非常に重要です。ことある毎に何度も述べていますが、日本固有のメタリコン塗装されたシリンダーはサイドマウントには向きません。

しかしながら、一度トリムを維持しつつもシリンダーが水平な状態が維持され簡単に着脱できる状態でしっかりマウントするというゴールを達成してしまえば、サイドマウントの利点を十分に活かせるようになり、バックマウントで潜っていたことがウソのようにサイドマウント・ダイビングを楽しむことができるようになるでしょう。

レクリエーショナル・レベルでのサイドマウントが完成されていなければ、テクニカル・レベルのサイドマウント(シリンダーを3本以上の)ダイビングを行なうことは到底不可能です。まずは基本をしっかりと習得してください。

↓以下の動画も参考にご覧ください。

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