PADI TecRecでダイビングの新たなステージへ-第9回- トリムの重要性

PADI TecRecでダイビングの新たなステージへ

-第9回- トリムの重要性

ここでいう「トリム」とはダイビング中の「姿勢/体勢」のことを指します。ダイビング中の適切なトリムは水平姿勢であり、手足をジタバタさせることなく、前後左右のどこか一方に傾くこともなく、楽に水平姿勢でバランスが取れている状態です。特にトラブルがなければ、潜降直後から最後の停止が終了するまで適切なトリムを維持します。

ダイビング中、適切にトリムが維持されていれば、ダイバーの体は自然に流線型になり、泳ぐ抵抗が少なくなり、呼吸が安定し、最小限の労力で移動することができるでしょう。バックマウント/サイドマウント/リブリーザーを問わず、すべての装備を装着した状態でトリムが維持できていることが重要です。

適切にトリムを維持するために最も気を使うのは「器材コンフィグレーション」です。以下にトリムを維持するうえで重要なポイントをいくつか挙げてみます。

ハーネス:

まず大前提として、ハーネスが体にフィットしていなければなりません。ハーネスが適切にフィットしてない状態では、水中でバランスを維持するのが困難であることは明白ですが、陸上(水中に入る前)にフィットしているようでも水中でスーツが圧縮されるので、各ベルトを締め直さなければいけない場合もあるでしょう。

タンク:

最もバランスに影響するので、シリンダーの素材(例えばアルミvsメタリコン塗装のスチール)、大きさ(6~14L)、数(1~6本以上)、位置(バックマウントvsサイドマウント)等を十分に考慮しなければなりません。また同じタンクでも装着する位置が多少でも上気味、または下気味に変わった場合にも変化する人がいます。さらに、アルミ製のシリンダーではダイビングの後半に浮力に大きな影響を与えることも考慮する必要があります。

ウエイト:

必要なウエイトをどの位置に装着するか検討します。トリムを完成させるために、1kg単位のウエイトにフックを付けたものをいくつか準備して水中に持って入り、ハーネスのDリング等にぶら下げてみて、快適な位置が見つかるまでぶら下げる位置を変えてみるのは非常に良い試みです。位置が決まれば一旦水から上がり、各ウエイトを固定する方法を考えます。

ブラダー:

バックマウント/サイドマウントに限らず、多くの種類のブラダーがマーケットで入手できます。ブラダーの大きさ、形状、装着する位置により姿勢が変わってくるため、ここでも使用するブラダーの種類により調整が必要です。

その他の器材:

スーツの種類や、ドライスーツの場合はインナーの種類が変われば浮き方が変わってくる場合があります。またフィンの種類(素材)が変わった途端にバランスがとれなくなるダイバーもいます。ライトのバッテリーその他のアクセサリー類も影響する場合があるでしょう。またCCRではカウンターラングの位置等によりさらに考慮すべきポイントがあります。

器材コンフィグレーションはすべての人に共通ではありません。ある人がパーフェクトにトリムを完成させていたとし、自分が全く同じように試しても上手くいくとは限りません。また、トリムを維持させることは非常に重要ですが、そのために本来すぐにアクセスできなければならないものに手が届かないようでは困ります。総合的にバランスをとって完成させる必要があります。

もちろん、いくら器材コンフィグレーションに気をつかったとしても、ダイバー本来のスキルが伴っていなければ、適切なトリムを維持することは難しいでしょう。呼吸テクニックを含めたホバリングの技術等が必須であることは言うまでもありません。

自分のトリムの状態を確認するために、一緒に潜ったチームメイトから助言をもらうとよいですが、自分のイメージと実際の姿勢を確認するためにビデオを使用するのが非常に良いアイディアです。自分ではできているつもりでも・・・・一目瞭然ですね。

この程改訂されたPADIオープン・ウォーター・ダイバー・コースでもトリムを維持するスキルが加わりました。水底にダメージを及ぼさないためにも適切にトリムを維持することは、すべてのダイバーにとって重要なスキルです。

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