写真提供:新井拓哉
西は日本で最も深い湾(水深2,500m)である駿河湾、東は1,000m以上の水深を持つ相模湾に面した伊豆半島のダイビングエリアでは、水温の下がる冬の時期に、普段は深海に生息する生物が、ダイビングで観察できる水深にまで上がってくることがあります。例年、キアンコウ(写真左)やミズウオ(写真右)、サギフエ、マトウダイといった深海性の生物が見られるほか、過去にはホンフサアンコウやシギウナギ、なんとリュウグウノツカイやチョウチンアンコウといった超レアな深海生物が見られたことも。何が出るかわからない可能性を秘めた海の世界が楽しめるのも、この時期のダイビングの大きな魅力です。
冬は水温が下がると共に、海中のプランクトンが減少するため、透明度が上昇。伊豆半島のダイビングエリアでも、透明度が20m以上になることもあります。どこまでも青い海の中を漂っているのは最高の気持ちよさ。また、透明度の高いこの時期は、トンネルやアーチなどの豪快な地形を楽しむのもおすすめです。伊豆半島には、熱海の「小曽我洞窟」や西伊豆・土肥の「八木沢・沖魚礁」など、冬の限られた期間しか潜ることのできないスポットもあり、毎年、ダイバーの注目を集めています。
人気の観光地でもある伊豆半島は、夏の海水浴シーズンや秋の行楽シーズンには道路が渋滞し、ダイビングエリアまでの移動に時間がかかりがち。その点、冬の時期は海への道が混雑することも少なく、時間を効率的に使うことができます。また、潜りに来るダイバーの数もハイシーズンと比べて少ないため、エントリーの際に並んで待ったり、水中で行き交うダイバーに気を遣いながら泳ぐ心配もなし。施設をゆったりと使うことができ、シャワーなどの待ち時間が少ないというメリットもあります。美しく色づいた夕焼けを見ながら温泉でゆったり、なんていうのもいいですね。
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