PADI登録店対抗フォトコンテスト2016 入賞作品

代表者3名の総合力で競う水中写真コンテスト

PADI登録店対抗フォトコンテスト2016 入賞作品

水中撮影の楽しみをさらに盛り上げ、ダイバーの皆さんに海をより楽しんでいただこうと、PADIジャパンでは、「PADI登録店対抗フォトコンテスト」を企画しました。各店舗から代表者3名の作品を応募していただき、その総合力で競っていただくフォトコンテストです。

第5回となった今回は、全国から25店のPADI登録店が参加。去る1月に審査が行なわれ、自然写真家・高砂淳二氏の審査により入賞作品が決定しました。入賞した皆さん、おめでとうございます!

審査総評
高砂淳二(自然写真家)

今回で5回目を迎えたこのフォトコンテストですが、3枚の組み合わせに工夫をしているところも増えてきており、それぞれの写真のクオリティも高かったですね。

単に写真を撮ったというよりも、きちんと世界観を考えて撮られたような写真、雰囲気の良さが伝わる写真が多かったと思います。生き物にしても、きちんと観察して、その生き物の特徴をしっかりと捉えて撮影された写真が多いように感じました。写真全体の雰囲気もしっかりと考えられており、同じ生き物を撮るにしても、周りの色とか、形とか、よく考えて撮られています。“ただ生き物を撮る”というのを超えて、絵としてもしっかり考えられているという印象を受けました。

今回応募していただいた皆さんは、それだけ水中世界を見る目が肥えていて、落ち着いて水中世界を観察できるダイバーなのではないでしょうか。応募された皆さんの作品を見ていて、非常に楽しかったです。

1位 CROSS WAY
◆撮影者名:古谷 久樹
◆撮影場所:積丹
◆撮影日:2016年3月
◆使用カメラ機材:Olympus TG-4
◆ダイビング歴:2年
◆撮影者名:高木 宏子
◆撮影場所:バリ
◆撮影日:2016年11月
◆使用カメラ機材:SONY RX100
◆ダイビング歴:6年
◆撮影者名:奥田 理恵
◆撮影場所:函館
◆撮影日:2016年10月
◆使用カメラ機材:Olympus TG-4
◆ダイビング歴:2年
審査評
3点ともとても雰囲気のある写真ですね。
まず、ホテイウオの赤ちゃんの写真は、被写体の色もいいけれど、乗っかっている場所もいい感じで、色の配色のバランスがすごくいいですね。赤い目もしっかりと目立っていて、ただかわいいとか、生き物が写っている以上のものを感じさせる写真です。シーンの切り取り方、このシーンに出会えたラッキーさ、それらが合わさって、とてもいい雰囲気の写真に仕上がっています。
続いてのエビの写真ですが、エビがポリプのついたソフトコーラルの枠の中にポンと入って、その後ろの黒と赤でグラデーションができていて、これも「ただエビを撮ったね」という写真を超えています。「こういうところに住んでいて居心地がいいんだ」と感じさせますね。見ていて“オシャレ感”を感じさせられて、生態写真を少し超えている感じがいいですね。
そして極めつけは水面の写真。水面に海藻が写り、とても幻想的な雰囲気です。よく撮りましたね。なかなかこういうのは撮ろうと思わないのですが、泡がいい感じに入っていて、その手前に光っている泡もいい具合にボケて、「どこの世界を撮ったの?」と思わされます。独特の視点を持った人が「こういう写真を撮ろう!」という目的を持って撮ったことがわかります。生態を狙っているのとははなから違う目で水中を見ていて、海のちょっとしたところを撮ってアートしようといった気持ちも感じられます。
3点に共通したちょっとおしゃれな感じというのがいいですよね。改めて、水中写真は撮る人の視点が大切ということがわかります。3枚とも雰囲気の統一感もあり、とてもいいと思います。
(高砂淳二)
◆撮影者名:熊薮 嘉子
◆撮影場所:モルディブ アリ環礁 マーヤラグーン
◆撮影日:2016年11月20日
◆使用カメラ機材:フジフイルム FinePix F200EXR
◆ダイビング歴:440本
◆撮影者名:田中 幸也
◆撮影場所:伊豆諸島 御蔵島
◆撮影日:2016年7月18日
◆使用カメラ機材:フジフイルム XQ2
◆ダイビング歴:446本
◆撮影者名:戸塚 栄一郎
◆撮影場所:房総半島 館山 波左間海中公園
◆撮影日:2016年12月11日
◆使用カメラ機材:オリンパス STYLUS TG-4 Tough
◆ダイビング歴:394本
審査評
マンタとイルカとエビ。3者3様の感じが「海の中にはいろいろなものがいる」というのを感じさせ、「海ってすごいね」と思わせてくれる写真です。
イルカも一頭が普通に写っているようですが、頭の鼻からすーっと出ている泡。これがイルカの躍動感や海の哺乳類らしさを出していると思うんですよね。イルカに対してすごく親近感を覚える写真です。
かと思えば、マンタの写真は、一心不乱に食事をしている様子が迫力たっぷりに撮られていて、こちらは“お魚感”たっぷり。周りにプランクトンがたくさん写っていたり、マンタにくっついているコバンザメもすごく躍動感があり、いいアクセントになっています。海の中にプランクトンがいて、それを食べる生物がいて、その周りにもまた生物がいるという、「海のシステム」みたいなものも感じさせられます。
3枚目はマクロの視点で、ウミウシに乗ったウミウシカクレエビの写真。実はこんなに目に見えないような小さいところにも、こうしておもしろい模様をくっつけて、すごい色の生き物が生きているんだと。
この大きな海の中で、大きなマンタがどんとプランクトンを飲み込んでいる迫力のシーンがあるかと思えば、こんなところにひっそりと奇抜な色をして生きているものもいる、そしてイルカは好奇心旺盛にこちらを見ながら息を吐いて泳いでいる。3つそれぞれの海の世界が見られていいですよね。
(高砂淳二)
◆撮影者名:徳家 寛之
◆撮影場所:伊豆大島
◆撮影日:2016年9月30日
◆使用カメラ機材:CANON EOS 7D
◆ダイビング歴:15年
◆撮影者名:渡邊 美雪
◆撮影場所:伊豆大島
◆撮影日:2016年7月2日
◆使用カメラ機材:CANON Kiss X4
◆ダイビング歴:10年
◆撮影者名:森岡 綾子
◆撮影場所:伊豆大島
◆撮影日:2016年7月31日
◆使用カメラ機材:CANON EOS 70D
◆ダイビング歴:10年
審査評
全部マクロで、割と生態寄りでまとまっています。
例えばウミウシの上のエビの写真ですが、ウミウシの触角が1本1本きれいに見えて、その間にぴしっとエビが収まっていて、状況もわかるし、写真としてもきれいに撮れています。
かと思えばジョーフィッシュが口にたくさんの卵を抱えたシーン。ダイバーにとっては雑誌などで見慣れたものになってしまうのかもしれませんが、これってすごいことですよね。海の中でこんなふうに子育てしている魚がいる。目つきからも親の必死さが伝わってきますね。
あとはこのヤドカリですが、ソフトコーラルの間に暮らしているという生態がわかると同時に、よく見るとヤドカリが背負っている殻にもフジツボや海藻などが引っ付いています。いろいろな生き物が共存している感じがとてもよく出ているし、それぞれが暮らしぶりを見せてくれていて「海って不思議だよね」という思いを抱かせてくれる3枚の組み合わせとなっており、とてもいいと思います。
(高砂淳二)
高砂淳二特別賞
◆ショップ名:《ダイビングスクール イオ 江坂校》
◆撮影者名:内倉 佑基
◆撮影場所:高知県柏島
◆撮影日:2016年10月9日
◆使用カメラ機材:オリンパス TG-3
◆ダイビング歴:2年半
◆ショップ名:《Tiara》
◆撮影者名:楠瀬 浩水
◆撮影場所:伊豆海洋公園(静岡県)
◆撮影日:2016年2月15日
◆使用カメラ機材:Olympus XZ-2
◆ダイビング歴:6年
◆ショップ名:《フリーウェイ新潟店》
◆撮影者名:渡部 麻衣子
◆撮影場所:伊豆 大瀬崎
◆撮影日:2016年2月21日
◆使用カメラ機材:Sony α6000
◆ダイビング歴:2年6ヵ月
審査評

内倉 佑基さま
のピグミーシーホースはとてもかわいいですね。僕もいろいろな写真を見ていますが、ここまでぴしっと決まった写真はなかなか見ないですね。両目でしっかりと見ているし、口元もすぼめている感じがかわいらしい。周りの赤のソフトコーラルも派手なのに、目がひゅっとこのピグミーシーホースの顔に引き寄せられます。それだけこの表情が強いんですね。黒いところにピタッと被写体が収まっていて輪郭もよくわかるし、おもしろいですよね。見事な写真です。

楠瀬 浩水さま
このイカの写真もきれいですね。水面の感じもすごくいいです。夕方っぽい水面の色合いとイカの目の色や体の色がうまくマッチしています。それによって、すごくきれいな雰囲気が作り出されていますね。イカの半透明感が出ているし、目にもハイライトがしっかりと入っており、技術的にもとても優れた写真だと思います。

渡部 麻衣子さま
貝に入ったミジンベニハゼの写真です。ミジンベニハゼはビンや缶に入っている写真を見ることが多いのですが、貝に入っていると、やはり自然の中で収まるべきところに収まっているという感じがします。ハゼもいい感じでヒレを開いて、両目でこっちを見ているし、まわりの色合いも合っていますね。僕もこういうのに出会ってみたいなと思いました。

(高砂淳二)

ページトップ