代表者3名の総合力で競う水中写真コンテスト

PADI登録店対抗フォトコンテスト2017 入賞作品

2017年全応募作品

水中撮影の楽しみをさらに盛り上げ、ダイバーの皆さんに海をより楽しんでいただこうと、PADIジャパンでは、「PADI登録店対抗フォトコンテスト」を企画しました。各店舗から代表者3名の作品を応募していただき、その総合力で競っていただくフォトコンテストです。

第6回となった今回も、全国のPADI登録店から力作が寄せられました。去る1月に審査が行なわれ、自然写真家・高砂淳二氏の審査により入賞作品が決定。入賞した皆さん、おめでとうございます!

審査総評

高砂淳二(自然写真家)

今回はそんなに応募数は多くなかったのですが、おもしろい作品が多かったですね。昨年のレベルが高かったので、今年は応募を控えたお店も多かったのかもしれませんが(笑)、さまざまな水中シーンを捉えた良い作品が多かったので良かったです。

このフォトコンテストは、撮る人の技量ももちろんですが、お店のスタッフや一緒に撮影する仲間とちょっと打ち合わせをして臨むと、3枚の写真のまとまりが出ると思います。やはり3枚がそろうと、すごいパワーが出ますからね。こんなテーマで行こうかと作戦を立てて撮ると、応募作品に統一感が出ておもしろいと思います。生態に詳しいお店、海の雰囲気を重視するお店など、お店のカラーも出そうですね。そういった意味では、今回入賞したお店は、3枚に共通のテーマが感じられました。1枚1枚のクオリティが高いことはもちろんですが、入賞するにはやはりデーマも大切かと思います。

今回入賞した作品を見ると、決して珍しい生物や貴重な生態シーンを捉えた写真だけではないんですよね。その被写体をどう生かそうか、考えて撮ると、当たり前の被写体でも思いも寄らない写真に仕上げることができます。型にはめて考えるのではなく、いつもの撮り方をちょっと変えて試してみるとか、いろいろと工夫してみるといいですね。今回の入賞作品は3者3様でありながら、どれも撮影者の意図を感じさせる写真で、すごく良かったと思います。また来年もどんな作品が応募されてくるのか、非常に期待しています。

◆ 撮影者名:松本 久男
◆ 撮影場所:柏島
◆ 撮影日:2017年10月8日
◆ 使用カメラ機材:TG-4+ストロボS&S×2
◆ ダイビング歴:5年
◆ 撮影者名:亀山 博史
◆ 撮影場所:座間味
◆ 撮影日:2017年8月
◆ 使用カメラ機材:XZ-2 +イノンS2000×2
◆ ダイビング歴:6年
◆ 撮影者名:西村 紘輝
◆ 撮影場所:石垣島
◆ 撮影日:2017年10月14日
◆ 使用カメラ機材:SONY RX100v
◆ ダイビング歴:7年半

審査評

3枚とも海の中のユニークなシーンをしっかりと捉えている写真ですね。1枚目のタコの写真は、足がすごく長くて、そこに魚がいっぱいついており、不思議な雰囲気を感じさせます。背景の海の青のグラデーションもとてもきれいで、まるで宇宙空間のようですね。このようなシーンに出会うチャンスはなかなかないと思いますが、きちんと撮れるというのがすごいです。

2枚目のチンアナゴの写真は、たまたまこうなったのかもしれませんが、チンアナゴの目の前でテンスが邪魔をしているような感じで、とてもかわいらしいですね。画面の端でもう1尾のチンアナゴがちょこっと顔を出しているのもいいですし。光もきちんと当たっていて、写真としてもしっかりしています。魚は他の生き物に比べて、気持ちが伝わりにくいと思うのですが、この写真は何か感じさせますよね。

3枚目はミジンベニハゼの写真。これまでたくさんミジンベニハゼの写真を見てきましたが、この写真のように奥にも魚がいるというのは初めて見ました。フォトコンテストで上位を狙うには、やはり目新しさというものは欲しいですね。

どの写真も海の中のいろいろなストーリーを感じさせる写真になっていると思います。3点ともクオリティが高く、組み合わせとしてもいいし、文句なしの1位でした。

(高砂淳二)

◆ 撮影者名:横山 康祐
◆ 撮影場所:岩 
◆ 撮影日:2017年11月
◆ 使用カメラ機材:オリンパス OM-D E-M5
◆ ダイビング歴:10年
◆ 撮影者名:五十嵐 美奈
◆ 撮影場所:初島
◆ 撮影日:2017年7月
◆ 使用カメラ機材:オリンパス OMD E-M5
◆ ダイビング歴:13年
◆ 撮影者名:鈴木 隆明
◆ 撮影場所:石垣島
◆ 撮影日:2017年6月
◆ 使用カメラ機材:オリンパス TG-4
◆ ダイビング歴:5年

審査評

3枚ともクオリティの高い写真です。

1枚目はハタがほかの魚を捕食している瞬間ですか。くわえられている魚とくわえている魚と両方とも目にピントが合うように撮られており、とても良い写真ですね。2枚目は、卵を産みつけにきたアオリイカ。これもきれいにイカの質感のようなものが出ているし、いい雰囲気です。欲を言えば、産卵床の木が少し写っているとか、卵を産み付けにきている様子がもっとわかりやすく写っていると良かったです。そうすれば、1位を狙えたかもしれませんね(笑)。3枚目は、クマノミが子供たちの世話をしている写真。卵を見ると、目もはっきりと見えて、もうほとんどハッチアウト寸前ですかね。それをケアしている親の愛情というものがよく伝わってきます。クマノミの目にも、写真の目立つ位置にある卵の目にも、しっかりとピントが合っています。なかなか撮れるようで撮れないんですよね。技術的にもとても優れた写真です。

どの写真も海の中の命の物語を1部分ずつ語ってくれていて、とてもいいですね。

(高砂淳二)
◆ 撮影者名:清水 力樹也
◆ 撮影場所:沖縄
◆ 撮影日:2017年9月18日
◆ 使用カメラ機材:Nikon D-810
◆ ダイビング歴:3年
◆ 撮影者名:山田 文香
◆ 撮影場所:南越前
◆ 撮影日:2017年4月22日
◆ 使用カメラ機材:Olympus XZ-1
◆ ダイビング歴:13年
◆ 撮影者名:加藤 野恵子
◆ 撮影場所:安良里
◆ 撮影日:2017年9月2日
◆ 使用カメラ機材:Olympus TG-4
◆ ダイビング歴:2年

審査評

1位、2位の作品が、海の中の被写体をわかりやすく捉えた写真なのに対し、こちらは雰囲気ものですね。

1枚目のカメの写真は、細かい泡がたくさん散りばめられていて、とてもいい雰囲気です。ダイバーの吐いた泡がたまたま入ってしまったのかもしれませんが(笑)、宇宙っぽさを感じさせて、1枚の写真としてよくできています。2枚目の写真も、ガヤの仲間をあえて逆光で撮ることで、触手が光ってきれいに写っていますね。あまり被写体にならなそうなものを、ちゃんと被写体としてとらえ、海の中の雰囲気を出しています。ただ撮るだけだと、普通はなかなかこのような雰囲気は出せないんですよね。3枚目は真っ暗な中にウミウシが浮かび上がっていて、触角や体の一部が透けているのが、とても幻想的な雰囲気となっています。一見、何だろうと思わせる、ウミウシを撮ったというよりは、ウミウシを使って海の不思議さを表現している写真といえるのではないでしょうか。

3枚とも同じ方向性の写真でまとまっていて、それが成功していると思います。

(高砂淳二)
高砂淳二特別賞
◆ ショップ名:《Tiara》
◆ 撮影者名:小川 秀俊
◆ 撮影場所:伊豆海洋公園(静岡県)
◆ 撮影日:2017年1月14日
◆ 使用カメラ機材:Canon G16
◆ ダイビング歴:4年
◆ ショップ名:《ダイビングセンターログ》
◆ 撮影者名:大利 昌宏
◆ 撮影場所:福井県越前 ログ前
◆ 撮影日:2017年4月8日
◆ 使用カメラ機材:CANON EOS 5D Mark IV
◆ ダイビング歴:8年
◆ ショップ名:《CROSSWAY》
◆ 撮影者名:山本 秀雄
◆ 撮影場所:北海道積丹 美国
◆ 撮影日:2017年5月5日
◆ 使用カメラ機材:OLYMPUS TG-4
◆ ダイビング歴:4年

審査評

小川 秀俊さま

このウミヒドラの写真は、とっても不思議な写真ですね。あまり撮ろうとは思わない被写体ですが、うまく撮っています。大抵こういう写真は、被写界深度が浅く撮られることが多く、1~2本にしかピントが合っていないホワッとした写真になりがちなのですが、この写真ではたくさんのウミヒドラに、きちんとピントが合っているので、気持ち悪さ(笑)と美しさの両方がしっかりと感じられます。ある意味デザインっぽい写真でもあり、「海の中にはこんなのもいるんだ」という思いも抱かせます。背景が暗くなく、海の青さが出ているので、海の中ということもちゃんと感じさせますしね。不思議な魅力があり、つい目を引き寄せられる写真になっています。

大利 昌宏さま

このダンゴウオは海藻の上に乗っているのだと思いますが、背景が真っ黒ではなく、濃いブルーとなっているので、地球っぽい雰囲気がありますね。超マクロなのに、なんとなくワイド写真の感じもあります。「地球の中にこうやって僕は暮らしていますよ」なんてダンゴウオが言っているようですね。周りがシンプルなので、ダンゴウオの天使の輪もとてもよく目立ちます。不思議な雰囲気で、おもしろい写真です。

山本 秀雄さま

この写真は「どうやって撮ったんだろう?」と思わせる、とても不思議な写真ですね。カレイの表と裏(?)の両方を見ることができます。狙って撮ったのか偶然なのか、おもしろいシーンを撮りましたね。なかなか見ることのないカレイの下側はこんなふうになっているのかと目を引きます。カレイの目もまだ完全に片側に動ききっていないし、体の中まで透けてみえて、レントゲン写真のようです。生き物ってほんとに不思議だなというのを1枚で感じさせる写真となっています。

(高砂淳二)

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