ダイビング器材の選び方

フィンの選び方

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いわゆる足ヒレ。水中で効率的に移動するために必要で、水中での動きやすさや快適さは、このフィンによって決まるといっても過言ではありません。脚力や潜る環境、ダイビングスタイル、スキルのレベルによって適したフィンは変わってくるので、ダイビングを続けていくに従って、自分に合ったものに買い換えていくといいでしょう。
フィンの各部説明
①ストラップ&バックル
ストラップを締めたり緩めたりすることで、足の大きさに合わせてサイズを調節。ダイビング終了時にはバックルを外せば、簡単にフィンを脱ぐことができます。
②フットポケット
足を入れる部分。ここがブカブカだとフィンに力が正しく伝わらず、力が分散してしまいます。結果、推進力にならず、キックしても進まないので、足/ブーツがピッタリと合うものがおすすめです。
③ブレード
一般的に、プラスチック素材のものは硬く、ゴム素材のものは柔らかい。最近は複数の素材を組み合わせているものも。また、先端の形状により水の切れやすさや捉える量が異なるのもポイントです。フットポケットとブレードの角度もフィンによってさまざまで、フィンの特性によって効率よくキックできるように調整された角度が設定されています。
④リブ
ブレードのサイド部分。高さにより水を捉える量が増減し、硬さや厚みを変更することでしなりや反発弾性を生み出すことができます。

フィンを選ぶ際のポイント

自分の脚力や潜る環境に応じて選ぼう

フィンを選ぶ際に注目したいのは「素材」「形状」。その特徴を踏まえて、自分の脚力や潜る環境に適した、快適にダイビングを楽しめるフィンを選ぶことが大切です。
フィンの素材には、大きく分けて「ゴム(ラバー)」と「樹脂」があり、ゴム(ラバー)は、しなることで元に戻ろうとする力(弾性)が働き、効率的に推進力を得られることが特徴。硬度や厚み、ブレードの長さ、ドライスーツ用に重さを変えるなど、様々なフィンが作り出されています。一方、樹脂はプラスチックとウレタンがあり、プラスチック樹脂は、軽くて持ち運びが楽なのが魅力。異なる硬度のパーツを組み合わせることで、推進力を向上させる工夫もされています。また、ウレタン樹脂は、反発弾性が良く、1キックでもグンと進むことができます。耐久性や発色の良さもポイントです。
フィンの形状も、フィンを選ぶ際に重視したいポイント。汎用性の高い「オープンヒール(ストラップ)タイプ」か、フィット感が抜群の「フルフットタイプ」か、フィンのブレードの長さや幅の広さ、フットポケットの形状など、組み合わせによって蹴り心地や使いやすさが変わってきます。パワフルなフィンにはジェットホールなどでフィンワークをサポートする機能も。自分の好みや潜る環境などに応じて選びましょう(下記参照)。

実際に試してみることがおすすめ

店頭やカタログで見るだけでなく、できれば実際に使ってみて、本当に自分に合うフィンなのか確かめてから購入するのがベスト。各メーカーが参加している器材モニター会でいろいろと履き比べてみたり、ダイビングショップでレンタルして使ってみたりして、使い心地を確かめてから購入することをおすすめします。

タイプ別
おすすめフィン

ビーチダイブをメインに楽しむ人は・・・

オススメ

ブーツを履いて使用する
オープンヒール(ストラップ)タイプ

ポイント

●ゴロタ(岩場)など足元の悪い場所からのエントリーでも安心。
●腕にかけることもできるので、エントリーやエキジットの際に両手が使えます。
ウエットスーツにもドライスーツにも対応できます。

留意点

●フィット感はフルフットタイプに比べて少し落ちます。
●フィンに対応したブーツを着用しないとフィット感が落ちます。

各ブランドからのオススメ


初心者や脚力に自信がない人は・・・

オススメ

ブレードの長さが短く、柔らかめのフィン

ポイント

少ない脚力で楽にフィンを蹴り込む事ができます。
●水中での方向転換などの際に取り回しが楽で、環境にもダメージを与えにくい。
●持ち運びや着脱の際も邪魔になりにくい。

留意点

●慣れてくると推進力に物足りなさを感じることも。
●強い流れに逆らったり、長距離を泳ぐのには向いていません。

各ブランドからのオススメ


大物や回遊魚の群れを狙って
泳ぎたい人は・・・

オススメ

ブレードが長めで、反発弾性が強い(よくしなる)フィン

ポイント

●押し出す水の量(=推進力)が際立って高く、高い推進力でのダイビングが可能です。
●大きくゆったりフィンを蹴り込むことで、力がなくても扱うことができ、しっかり進みます。

留意点

●ブレードが長いので、持ち運びや水中での取り回しがしにくくなります。
●慣れるまでに多少コツが必要となります。

各ブランドからのオススメ


スキンダイビングや
ドルフィンスイムを楽しみたい人は・・・

オススメ

フルフットタイプでブレードが短め&柔らかめのフィン

ポイント

フィット感が抜群で自分の足の延長のように扱うことができます。
●水面を泳ぎやすく、水中での方向転換などもしやすい。
軽い蹴り心地で、楽に推進力が得られます。

留意点

●スクーバダイビングでは推進力が物足りなく感じることも。スクーバダイビング用と併用する場合は柔らかすぎないモデルを選びましょう。

各ブランドからのオススメ


持ち運びのしやすさを
重視する人は・・・

オススメ

素材が樹脂で短めのブレードのフィン

ポイント

樹脂(特にプラスチック)は重量が軽く、電車などでの移動はもちろん、飛行機での旅行にも持っていきやすい。
●ブレードとフットポケットが分離でき、よりコンパクトに収納できるものも。

留意点

●分離できるタイプは、パーツをなくしてしまわないよう、工具を忘れないように注意。

ドライスーツで快適に
ダイビングしたい人は・・・

オススメ

ドライスーツ用に設計されたオープンヒール(ストラップ)タイプ

ポイント

●重量が重めで、水中での安定感がアップ。アンクルウエイトがいらなくなる場合も。
フットポケットがドライスーツのブーツにもぴったりフィットし、バックルで着脱も楽。また、スプリングストラップにアレンジすればさらに着脱も簡単に。

留意点

●ウエットスーツでの使用には向いていません。

各ブランドからのオススメ


各ブランドの
おすすめフィン


フィンを使う際の
ポイント

1.フィンを履くときはバディの肩や手すりを使う

重いダイビング器材を背負った状態や足元が滑りやすい状態で、片足立ちでフィンを履こうとするのは非常に危険。余計な体力を消耗してしまうだけでなく、転んでケガをする可能性もあります。手すりなどがあればつかまって、なければバディの肩を借りてフィンを履くといいでしょう。ボートの縁などに腰かけて履くのもおすすめです。

2.スムーズにフィンを履く
準備をしておこう

エントリーの際にモタモタすると周りのダイバーにも迷惑をかけてしまいます。素早くフィンを装着するためには、事前の準備が大切。フルフットタイプは、踵の部分をひっくり返しておく、オープンヒール(ストラップ)タイプはストラップを全開に緩めてフィンの下側に回しておくと、スムーズに履くことができます。

3.フルフット+ブーツの組み合わせにも注目

足にぴったりとフィットし、足の力をダイレクトにフィンに伝えられるのが魅力のフルフットタイプ。素足で使う人が多いのですが、フィンずれを防いだり、足場の悪いビーチダイブで使う際は、フルフットタイプにフィットしやすいブーツを使うこともおすすめです。ダイビング中の保温力という面でも効果的。フットポケットの中でブーツが滑らないか、ブーツの中で足がずれないか、チェックしておきましょう。また、フルフットフィンによってはブーツ専用設計されたフットポケットタイプもあるので確認する事も重要です。

4.ストラップは左右均等に締めること

ストラップは左右均等に締めるのが基本。急いでエントリーしようとすると、つい片方だけを締めがちですが、この状態ではブーツとポケット、ストラップがきちんと合わずにフィット感が損なわれるだけではなく、水中で緩んでフィンが外れる原因にもなります。ストラップ中央がアキレス腱の辺りにくるように、左右均等に締めるように心がけましょう。

5.ストラップをきつく締めすぎないように注意

 「フィンが水中で外れたら大変!」と、ストラップをギュウギュウに締めてエントリーする人がいますが、これはNG。あまりにきつく締めすぎると、つま先が圧迫され、痛みや不快感の原因に。この状態で正しいフィンキックをすることは不可能です。もしきつく締めすぎたようなら、水中で一度緩め、再度締め直すといいでしょう。

フィンのお手入れポイント

ゴム製品は日光に当てると劣化や変色の原因になりますので、水洗いして日の当たらない場所に干してしっかり乾燥させるのが基本。保管は、ブレードを下にして立てかけておくなどすると曲がってしまう可能性があるので、寝かした状態で上に重たいものを乗せないこと。また、ストラップの部分を引っかけて保管したり、締め切った状態で保管すると、ストラップが劣化して切れやすくなるので、ストラップは完全に伸ばした状態で保管しましょう。

協力:(株)キヌガワ

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