様々な生き物を観察したり、ダイナミックな地形を探検したりと、ダイビングにはいろいろな楽しみ方がありますが、ロマンあふれる水中世界を楽しめることで人気なのが沈船ダイビング。役目を終えて沈められたものから、戦争の爪痕を残すものまで、国内にもさまざまな沈船があり、それぞれでユニークなダイビングを楽しむことができます。どんな船で、なぜそこに沈められたのかなど、その背景を知って潜れば沈船ダイビングはさらに興味深いものになるはず。ぜひ潜りに行ってみてくださいね。
全長80mを超える巨大な船「旭16号」が水深30mほどの砂地に横たわっています。38年前に沈んだ5,000tの砂利運搬船で、ダイビングをすることができる沈船としては、国内で最大級。船体にはソフトコーラルがびっしりとついており、多くの生き物のすみかとなっています。
日本有数の巨大沈船で迫力満点! ソフトコーラルも多く、魚影が濃いので、かなりおもしろいポイントです!!
PADIアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー以上であればダイビング可能です。ディープ・ダイバーSPやレック・ダイバーSPがあれば、より安全で楽しめると思います。
港を出港して約3分で到着するボート・ポイントです。ロープ潜降が基本で、潜降ロープも沈船の真横まで伸びているので、初心者にもおすすめのポイントになっています。沈船は白い砂地の上に台風などの強いウネリなどで朽ち果てることなく、沈められた当時そのままの姿で雄大に沈んでいます。
全長約20mと決して大きくはありませんが、そのままの姿を残しているので操舵室に入ることができ、船長気分を味わうことも。ネンブツダイやキンメモドキなどが群れており、多い時は沈船を埋め尽くすほどの群れになります。カメラ派はマクロ、ワイド両方で楽しむことができ、ワイド派には白い砂地に雄大に構える沈船の全体像を撮影することがおすすめ。船体にはソフトコーラルなどが定着しており、カエルアンコウ、各種ウミウシ、ハゼ、甲殻類などを見ることができ、マクロ派も楽しめます。砂地には、キアンコウ、トビエイ、カスザメ、コロザメなどを見ることができます。
ロープ潜降・浮上可能なので初心者にも安心なポイントになっていますが、菖蒲沢のボート・ポイントでのダイビングはPADIアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバーが必須となっています。また、レック・ダイバーSPを取得しておくとより沈船を楽しめるはずです。ポイントまで港から約3分と近いので、船酔いしやすい人にもおすすめです。
兄島の滝の浦湾内にある沈船です。第二次世界大戦の頃に沈んだと言われており、船体がバラバラになっていることから「バラ沈」と呼ばれています。ボイラーとエンジン部分は形が残っており、その周りに着いた生物を観察するのが定番の楽しみ方です。
固有種であるユウゼンが複数個体定着しており、容易に観察することができます。夏には幼魚たちの住処となっており、冬にはウミウシなども多く生息しています。沈船付近にはサンゴの群生もあり、レンテンヤッコ等の生物も多く定着しています。
水深15m程度と比較的浅いポイントで、ロープ潜降が可能なため、ビギナーでも安心して潜ることが可能です。ボートダイビングでのポイントなので、ボート・ダイバーSPなどを持っていると安心して潜ることができます。
港からボートで約5分、水深18mの海底に沈んでいるのは、全長28m、高さ7~8m、幅6mの「TAKEMARU(武丸)」。船首側、右舷側、船尾(直接のブイ)の3本の固定ブイがあり、初心者から潜ることが可能です。
白浜の初代沈船は、過去に沖合で沈んだ船をダイビング中に発見!! 一躍、ダイビングサイトとして注目を浴びる存在でしたが、度重なる台風の影響で船体は粉々に・・・。今は近くのポイントで残骸が眠っています。
現在活躍中の2代目沈船は2005年6月20日に、初代沈船後に設置。その後、大きな台風で砂地を流され、場所を変えて現在の位置にケーソンブロックで固定されています。船内へのアクセスは3ヶ所可能で、レックダイブを存分に楽しめる環境になっています。
注意点:うねりを伴う日の船内探索は危険、シリンダーを沈船にぶつける行為もNGです。
年間通して潜水可能で、季節を変えれば四季の変化を楽しむことができます。キンメモドキ、ネンブツダイ・クロホシイシモチの群れが船体を取り囲み、大型の魚では、クエ、オオモンハタ、ハナミノカサゴ、ヒラメ、イシダイなどが根付いています。ベストシーズンの秋には、中層でアジ、イサキ、イワシの群れを狙って、カンパチ、ブリなどの回遊魚も旋回。マクロで狙える生物も豊富で、カエルアンコウの仲間やピカチュウウミウシことウデフリツノザヤウミウシなどダイバーに人気の生物も例年観察できます。
初級者からも潜水可能ですが、知識を深めるレック・ダイバーSPはもちろん、エンリッチド・エア・ダイバー(ナイトロックス)SPなどを取得しておくことがおすすめ。ナイトダイビングも開催しているので、ナイト・ダイバーSPの取得を目指すのもいいでしょう。
長門型戦艦の2番艦。八八艦隊計画二番手で、1番艦「長門」と共に日本の力の象徴として日本国民に長く愛されました。竣工当時は世界に7隻しか存在しなかった40cm砲搭載戦艦として『世界七大戦艦』と呼ばれた船でもあります。昭和18年6月8日に謎の爆発により沈没。昭和45、6年に爆破解体作業が行われ、2/3が引き上げられて、今は第一主砲から艦橋部が当時のまま海中に残っています(上写真は副砲)。2016年の熊本地震で士官会議室の天井部甲板が崩れ落ちて、少しずつ崩れていっています。
レクリエーションでのダイビングでは水深40mにある主砲や、艦橋にある副測距儀、双眼鏡の台座などを見ることができます。士官室横の個人浴槽も残っており、乗組員の2段ベッドやバルブ操作室もコースによっては見ることができます。
テクニカル・レクリエーションでのダイビングでは、およそ120mの長さで残っている船体を周ることができ、副砲や飛行機の発車台のような物も見ることができます。
船体のトップで水深14m、船窓などの様子は水深23m以深で見られるため、PADIアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー以上のレベルが必要です。また、透明度も悪く、水底は泥質のため、水深40mの水底でも中性浮力がとれ、着底しないことがベスト。減圧不要ダイビングでもしっかりと安全停止のち水面への浮上をゆっくりと行うことで、体の負担を軽減できます。
TEC45以上を取得していれば、各ダイバーの経験の範囲内で水底40mをゆっくりと見て回ることができるので、レクリエーションでもテクニカルでもアドベンチャラスに楽しめるポイントです。安全停止、減圧停止はロープ浮上ですので透明度が悪い時でも落ち着いて浮上することができます。
1993年5月に沈められた、全長51.43mの海上保安庁の巡視船で退役した船です。戦時中のものではないので、死傷者がいないのも特徴のひとつです。
全長50m超の船が横たわる光景は圧巻。30年経った今でも船の全形がしっかりと保たれているので見応えがあります。河川がない与論島は透明度が良いこともあり、条件が整えば水深20mを超えるあたりから沈船の全景が見られることもあります。
船の中には、ヨスジフエダイやアカマツカサが群れており、船の下にはネムリブカや1m超のロウニンアジなど、船の上方にはクマザサハナムロやハナゴイが群れていたり、イソマグロがいることもあります。
プリシアリゾートダイビングには、1993年に船を沈めた時の写真が残っているので、これを見てから潜ると更に充実したダイビングになるでしょう。
沈船あまみは、水深約40mに沈んでいるため、ディープ・ダイバーSPを取得しておくことがおすすめ(残圧だけでなくNDLもしっかりと管理できる必要があります)。透明度次第では30m以浅からでも見えますが、PADIアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー以上を取得しておきたいところです。
南風の多い夏場がメインの北側のダイブサイトになります。気温・水温が高い時期に深い水深へのダイビングとなることが多いので、体調をしっかりと整えて水分補給などをこまめに行ない、ダイビングに臨みましょう。潮によっては少し流れがあることもありますが、水底やドロップ沿いを移動して沈船まで行けるので安心です。
第二次世界大戦中、日本への情報流出を防ぐために米軍自身が撃沈したと言われている駆逐艦エモンズ。5機の日本軍特攻機の攻撃を受け、船体に大きな損傷を受けました。この歴史的な船は古宇利島の北側、水底約45メートルに沈んでいます。全長は約106m。
迫力のある船首から見た全体像、ラダー、プロペラ、対空砲、プロペラや九八式直協エンジンなどが見どころ。船体は徐々に劣化しつつあります。船のトップで水深38m、ボトムでは水深43mほどになります。
PADIアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー以上、ディープ・ダイバーSP、エンリッチド・エア・ダイバー(ナイトロックス)SPを取得しており、最低でも50本以上のダイビング経験、ドリフトダイビングの経験もあることが求められる、上級者向けのダイビングです(※Diver’s7ではインストラクターであってもチェックダイブを必ず行なっています)。船の船尾、中間、船首にロープがあり、水面からロープ潜降します。
一般的な空気消費量であれば問題ありませんが、空気消費量の早い人や体格の大きな男性は12Lシリンダーの使用がおすすめ。さらに予備のポニーボトルやドロップタンクは必須です。潜水時間は20~25分程度です。
伊良部大橋がかかる前に宮古島と伊良部島を往復していた全長約40m、高さ約10mのカーフェリー「沈船イラブ」。漁礁にすると計画的にわざと沈められました。車を積むスペースや乗客スペース、操舵室を回ることができ、船内にも入れる珍しい沈船です。最大水深18mにあり、ゆっくり観察することができます。
南風の吹く夏の時期によく行くことがあるダイビング・ポイントで、初夏になるとキンメモドキが船内にぎっしり! またツバメウオやアカククリも住んでいるなど、沈船はしっかりと魚の住処になっており、地形好きのダイバーも生物好きのダイバーも満足できるダイビング・ポイントです。
船内には細かい砂がたまっているので、中性浮力をマスターしてなるべく巻き上げないように気を付けながら、フィンワークを意識して行きましょう! レック・ダイバーSPを受講しているとより沈船の魅力を知ることができ、より安全に潜ることができます。
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