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魚観察テクニック

最終回 ミノカサゴ VS ハナミノカサゴ

PADIジャパン/大阪オフィスの西川です。
なんと、このコラムも今回で最終回となってしまいました。
最終回は皆さんお馴染みミノカサゴとハナミノカサゴを題材にお送りいたします。

ダイビングで遭遇したサカナが一体何というサカナなのか?
フィッシュウォッチングはここからがスタートですね。
学術的に種を見分けるのは同定(どうてい)といって標本が必要になるので、私的には種の予想と表現しています。
今回はもう一歩踏み込んでミノカサゴとハナミノカサゴを題材にそっくりさんを見分けられたら、それぞれの分布まで考えてみましょう。

文:西川 守(PADIジャパン/大阪オフィス)   イラスト:ともなが たろ

まずは見分け方から
ミノカサゴとハナミノカサゴはいくつか見分けのポイントがありますが、どちらも判断しかねる個体もいて、まさに予想するのにピッタリです。
あいまいな順に判断のポイントをリストアップしてみますが、総体的にミノカサゴは地味、ハナミノカサゴは派手な印象です。

  • 眼上皮弁の長さ
    眼の上から皮弁が生えていますが、ミノカサゴは短く、ハナミノカサゴは長く伸びてくるといくつかの図鑑に掲載されていました。ところが、ミノカサゴも幼魚は長く伸び、ハナミノカサゴも成長すると短くなってくるので、どうやらこれは幼魚に共通の特徴のようです。
  • 尾ビレ・尻ビレの斑紋
    顕著な斑紋がなければミノカサゴ、あればハナミノカサゴですが、これもミノカサゴの幼魚には黒点が残っている個体を時々見かけます。後で詳しく述べますが、西川としてはこれこそがハナミノカサゴからミノカサゴが種として最近分離した証拠のように思えて、ミノカサゴの幼魚を見つけると真っ先にチェックするポイントです。
  • アゴの下の模様
    正式には頭部腹面および胸部に模様がなければミノカサゴ、あればハナミノカサゴです。この特徴でまず間違いなく見分けられます。

つまり、アゴの下を見て両者を見分け、眼上皮弁で成長度合を見た上で尾ビレの黒点を確認してみてください。皆さんの中でデーターベースができてくると思います。
きっとどこにでもいるミノカサゴが大好きになりますよ。

ハナミノカサゴ ミノカサゴ

ミノカサゴ達の性質は
ミノカサゴの仲間でも個体が大きいこの2種は、魚類全般のなかでも格段に態度が大きく、ふてぶてしいと思っているのは私だけでしょうか(笑)。
イシモチの仲間の幼魚のような小魚が群れているところには必ずいて、追いかけるでも、欺くでもなく、隙あらば吸い込んで捕食してしまう様子は、英語名のようにライオンを連想させます。
我々ダイバーが近づいても逃げ出さず、逆に毒のある背ビレで威嚇してくるので、この2種の写真はいつも下向きで上目づかいで写っていることが多いです。

ハナミノカサゴ ミノカサゴ VS ハナミノカサゴ
では、さらに2種類を比較してみるとどうでしょうか。これも明らかにハナミノカサゴのほうが気が荒いと思います。
同じ下向きの体勢でもミノカサゴは防御体勢に見えますが、ハナミノカサゴは向こうからゆっくりと近づいてくることもあって、攻撃態勢のようです。
きっと皆さんも沖縄や海外で襲われそうになった(?)ことがあると思います。
ここからは私見になりますが、ミノカサゴに比べてハナミノカサゴは分布が南方系なので、気が荒いのでは、と勝手に推測しています。
サカナだけでなく、イカやタコまで南に行くほど気が荒くなっていると、自分では確信しています。
この意見は誰にも証明してもらえないのですが、きっと賛同していただけるPADIのプロフェッショナル・メンバーの方々、ダイバーの方々も多いと思っています。
ただし、今回のテーマとは無関係ですね。
明らかなのは、分布がずれているということのほうです。
ハナミノカサゴはフサカサゴ科のなかでも本来南方系で広く世界中に生息しており、生息エリアを北に向けて進出してきたところで日本付近に適応した新種がミノカサゴである、という考え方があります。
サンゴのなかでは思いっきり派手でよかったヒラヒラの体も、温帯の磯場に適応するために少し地味になったのでしょうか。
南西諸島から日本列島あるいは小笠原、伊豆諸島は浅海が南北に続いており、環境に適応しながら徐々に生息域を広げやすい地形で、環境に適応するために一番最近に種が分離したのが、ここでいうそっくりさんになるわけです。

そっくりさんと分布のズレの関係
他の魚種でもよく似た関係を見てみましょう。
ヒラマサは世界中の暖海に生息していますが、そっくりさんのブリは日本列島近海の固有種で、やや北方に分布がズレています。
カンパチとヒレナガカンパチはどちらも世界中に分布していますが、北限はカンパチのほうが北よりで、日本海ではほとんどカンパチしか見かけません。
イシダイとイシガキダイ、マサバとゴマサバ、ネンブツダイとクロホシイシモチ、ホシササノハベラとアカササノハベラなどはいずれも後者が少し南に分布しています。
これらの例のすべてに共通しているのは、完全に済み分けているのはなく、重なっているエリアもある、ということです。
そこで両者を同じポイントで見分けたり、南限、北限を知っていれば何でもない魚種がいきなりレア物に早変わりしたりします。
ミノカサゴの例では日本海側ではほとんどミノカサゴ、紀伊半島北部では両方混在し、南紀で見かけるのはほとんどハナミノカサゴです。
日本海側と太平洋側のポイントの両方を潜る機会があれば、ぜひ押さえておいていただきたいポイントです。

運命の出会い
たくさんの例外はありますが、そのサカナがもともと南方系か北方系かは、繁殖の時期でわかるそうです。
日本では夏に繁殖するのは南方系、冬に繁殖するのは北方系、春秋は温帯適応種と、エイヤッと分けられるそうです。
それがわかっていると伊豆や紀伊半島、日本海などで大昔どこかで分離した同じフサカサゴ科の仲間達が演じている運命の出会いを見学できます。
南方からやっと攻め上がってきたミノカサゴと北方から暖かい海に適応するエキスパートとしてたどり着いたカサゴがそこそこで邂逅(かいこう)しています。
どちらも相手を近い仲間とは認識していないでしょうが、よく見ると顔つきはどことなく似ています。
いったいお互いをどんなふうに見ているのでしょうか。
やはり北から降りてきたクロメバル(北方系なメバルの仲間のうち最南適応種)もその中に加わりますが、中層でホバリングしていて知らん顔です。
こんな見方で、カサゴとミノカサゴがただ一緒にいるだけの風景をドラマチックに感じていただけるようになっていただけたら、ダイビングがますます楽しくなりますよね。

最後に
すみません、今回もまた自分の世界に入り込み過ぎてしまいました。
今号をもちまして、「魚観察テクニック〜身近なサカナと遊ぼう」のコラムは最終回になります。
長らくご愛読いただきましてありがとうございました。
しかし、おサカナ好きな私には、まだまだ皆さんにお伝えしたいことがたくさんあります。
また別なテーマでサカナに関するコラムを書きたいと思いますので、その節はどうぞよろしくお願いいたします。


西川 守(にしかわ まもる)

PADIジャパン/大阪オフィスのスタッフ。
とにかく魚が大好きで、いつもダイバー、釣師、魚屋さん、料理人のそれぞれの視点で魚を観察できる。
おかげで、いわゆるレアものより普通の温帯にいる魚が得意。
大の魚好きなことが高じて、オリジナルのPADIスペシャルティ「サカナとの遊び方SP」を作ってしまう。
これまでに、白崎海洋公園、串本、越前、牟岐、大分、佐世保、上五島で、この「サカナとの遊び方SP」のイベントを開催。
TVチャンピオン(テレビ東京系/現在は放送を終了)でお刺身を食べて魚種を当てるさかなクンを見て感動するが、いつの間にかそれが自分の得意技にもなってしまう。
「生まれ変わったら伊豆大島の波浮港の水底で、つぶらな緑色のひとみで 仲間とひしめき合って水面を見上げているハオコゼになりたい」と常々思っている。


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