「#ダイビングって楽しい」ハッシュタグキャンペーン実施中! 「PADIスペシャルティ・キャンペーン」開催中!
全国のPADIショップリスト
←#07 周知・理解と活用のために(Ⅱ) 連載コラムTOP #09 最終回→
海の遺跡

#08 水中文化遺産とダイバー 〜ダイバーは何ができるのか〜

これまで説明してきたことで、水中文化遺産とその研究の内容や国内における現状は、おわかりになったことと思います。今回は実際に海に潜り、海を身近に感じているダイバーが、水中文化遺産とその研究とどのようにかかわることができるのかについて、お話したいと思います。

ph

黄金崎公園ビーチ沖(静岡県西伊豆町) 海面に顔を出す矢穴石[近世] アジア水中考古学研究所提供

ダイバーができること

それは「発見」と「保護」です。水中文化遺産、その中でも水中遺跡の多くは水中に潜らないかぎり、直接に見ることはできません。しかし、ダイバーの皆さんは潜ることができますので直接に見るチャンスがあります。最初にも触れたように、それを遺跡と認識していないだけで、すでに見ているのかもしれません。私自身、ダイバーですが、水中文化遺産に興味を持つ前は、水中を研究の対象として潜ったことはありませんでしたので、遺跡(遺構や遺物)を見たことも見つけたこともありませんでした。しかし、最近では初めてのポイントへ潜る際には、事前にその地区の歴史的背景を調べ、研究者の目で海底を見るようになってしまいました。

実際に、ファンダイビングのポイントに水中文化遺産が存在しているところはあります。たとえば、神奈川県小田原市石橋です。ここの海岸は、江戸時代に背後の山腹にある石切り場(石丁場-いしちょうば)から江戸城築城用に切り出した石垣用材を運び出すための積出港であったと考えられています。実際に、海岸には矢穴(やあな)と呼ばれる岩を割る際に、楔を打ち込んだ穴が等間隔に開けられている1辺90〜200cm以上の大小の石(矢穴石)を多数見ることができますし、ファンダイビングエリアの海底にも同様の石や成形された石材を多く見ることができます。積み出す際に海底へ落としてしまったものもあったことでしょう。落とした石材は「城が落ちる」ものとされ、拾わなかったとも言われていますので、拾わずにそのまま海中残されて、現在にいたっているようです。このような矢穴石は、石丁場跡が確認されている小田原西部〜伊豆半島の海岸で見ることができます。海岸にあれば、海底にもあるはずですので一度探してみてください。このほかにも近世陶磁器や瓦、石材などを見ることができるポイントは全国にあります。

ph

石橋沖(神奈川県小田原市)
海岸際に残された矢穴石[近世]
アジア水中考古学研究所提供

ph

石橋沖(神奈川県小田原市)
海底に残された直方体状に成形された石垣用材[近世]
アジア水中考古学研究所提供

このように、普段、皆さんが潜るポイントにも水中文化遺産はあるのです。ただし、これらのファンポイントで見ることができる「遺物」は、比較的わかりやすい(誰もがそれとわかる)ものが多いので、同じポイントでも見逃している他の「遺物」はあるものと思います。したがって、どのようなものが関連遺物なのかを事前にわかれば、見る目も変わってくると思いますし、事例は増えることと思います。

ph

和賀江嶋(神奈川県鎌倉市)
干潮時に確認された陶磁片[中世]
林原利明撮影

それでは、どのようなものが遺物なのでしょうか? 今回取り上げた矢穴の開けられたものや直方体状や板状に成形された石材、土器・陶磁器や瓦などの焼き物、そのほかに石器や碇石などの石製品、ビンなどのガラス製品、鉄錨や飾り金具などの金属製品、そして沈没船など、過去に使用していた多種多様なものです。碇石や沈没船を除く遺物は、近くにある博物館で、石垣については城跡でも見ることができますので、ぜひ見にいって、確認してみてください。本物を見ることによって、何が遺物であるのかがわかりますし、海底で見つける際の参考になることでしょう。

そして、日本の沿岸域の調査は、まだ十分になされていないので、ダイバーから「この海域にあった」、「あの海域で見た」などの情報をお寄せいただけると、非常に助かります。実際に、水中文化遺産(特に水中遺跡)に関する情報の多くは、国の内外を問わず、漁師やダイバーなど海に直接かかわっている方々から提供されていますし、その情報から大発見になった例もいくつもあります。

さらに、遺跡を確認したら、それを保護することも重要なことです。発見した「遺跡」からむやみに遺物等を引揚げることは、「遺跡破壊」となるとともに、「何が、どこに、どのようにあるのか」という遺跡の重要な情報が失われてしまい、後に調査を行なったとしても重要な情報が抜け落ちることともなりますので、絶対にやらないでください。そして、陸上の遺跡では、多くの人が見ることができ、法的な根拠が明確な事例(「埋蔵文化財包蔵地台帳」に登録される)が多いので、自治体や地元の方々が協力をして遺跡を守っている例が多くあります。海(海底)では、法的な根拠が十分でなく(多くが「埋蔵文化財包蔵地台帳」に未登録)、見ることができる人も限定的なため、十分な保護措置がとられない場合が多いのが現状です。

しかし、それがダイビングポイントであれば、ダイバー自らが遺跡と認識し、守る意識を持てば、遺跡の保護に繋がります。欧米では実際にダイバーが遺跡を守っている例があります。ただし、保護といっても完全にプロテクトするのではなく、ルールを決めたうえでポイントとして利用することでも、結果として保護に繋がります。基本的には「海」を守り、そのうえで活用するというダイバーが普段行なっていることの一環で考えていただければ、それで良いのです。

ph

坊津(鹿児島県南さつま市)
海岸際の海底に散らばる陶磁器片[近世]
アジア水中考古学研究所提供

ph

坊津(鹿児島県南さつま市)
海底に残された鉄製四爪錨[近世]
山本祐司撮影

ダイバーが水中文化遺産(遺跡)を見つけたら

それでは、ダイバーが水中で遺跡(遺物・遺構)あるいは遺跡かもしれないものを見つけたら、どのように対処したらよいのかを記しておきます。

調査のところでも説明しましたが、考古学では、「何が、どこに、どのようにあるのか」が重要ですので、大きなものはもとより、陶磁器片などの小さなものもできるだけ動かさないようにしてください。そして、そのモノ(遺物)の位置・水深情報の確認と状況や種類がわかるような写真を撮ってください。

ただし、ピンポイントでその場所へ再び行くことが難しい場合や、すぐに動いてしまうような土器や陶磁器の小さな破片の場合は、そのモノを取り上げてもかまいません。

大量にモノがあるときには、取り上げるのはできるだけ一部だけにするととともに、位置・水深情報の確認と写真撮影はするようにしてください。

また、遺物と断定できないこともあると思いますので、「遺物かもしれない」というものはすべて情報としていただければ幸いです。情報は多ければ多いほど助かります。

そして、情報は地元市町村教育委員会の文化財担当に知らせるとともに、できればアジア水中考古学研究所(Phone & Fax:092-611-4404/E-mail: kosuwa@f4.dion.ne.jp)にもご一報ください。

その情報が遺跡発見に繋がるかもしれません。

ARIUA

←#07 周知・理解と活用のために(Ⅱ) 連載コラムTOP #09 最終回→

back

 
 

What's New

6月27日
【トラベル・ネットワーク新着情報】
渋滞知らずの駿河湾フェリーで
西伊豆・田子ファン&体験ダイブ
6月23日
【Project AWARE】
2017 AWAREクリーンナップ活動報告をUP
6月20日
【トラベル・ネットワーク新着情報】
沖縄・ケラマ 専用クルーザーで
体験ダイビング&スノーケリング
6月19日
【トラベル・ネットワーク新着情報】
ブランクダイバーさんも安心!
石垣島リフレッシュ&ファンダイブ
6月14日
【トラベル・ネットワーク新着情報】
千葉ケーズハーバー大水槽で
体験ダイビング&スノーケリング
6月2日
【トラベル・ネットワーク新着情報】
スキル練習したいダイバー大歓迎!
辰巳プールでリフレッシュ&スキルアップ!
6月1日
新規登録店に
《 Ohana With... 》を追加
5月26日
【トラベル・ネットワーク新着情報】
沖縄ケラマでスノーケリング
専用クルーザーでボートスノーケリング!
5月23日
[PADI News]
「ワールドオーシャンズデイ TOKYO 2017 〜食を通じて、海を感じる日〜」開催
5月22日
新規登録店に
《 Diving Pro Shop 7Share 》を追加
5月18日
[PADI News]
なりすましメールにご注意ください
5月12日
【トラベル・ネットワーク新着情報】
西伊豆・雲見で
洞窟フロー(蛍光発光)ダイブ
5月10日
[PADI News]
2017年5月20〜28日は「みんなで潜る!スクーバダイビングWEEK」

sns

Facebookページ Twitter Google+ページ Youtube