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「第11回/テック・サイドマウント -1-」

今回から3回に渡り、テック・サイドマウントに関して書いてみたいと思います。既に(当コラム第6回「サイドマウントでのテック・ダイビング」にて)テクニカル・ダイビングをサイドマウントでのコンフィグレーションで実施する利点等を少々ご説明しました。今回からはPADIテック・サイドマウント・ダイバー・コースを念頭におきながら、少々ミクロ的な見地で述べていきます。

まず今回のテーマは「テック・サイドマウントって何?」です。

本題に入る前に - 未だにあるサイドマウントに対する誤解:

残念なことに、現役のインストラクターでさえも、「背中にシングルタンクを背負う以外のダイビングはテクニカル・ダイビング」だと勘違いしている人が多いようです。例えば・・・
・ダブルタンクを背負っているからテクニカル・ダイビング
・タンクを2本抱えているからテクニカル・ダイビング
・リブリーザー(どのタイプでも)を使うのはテクニカル・ダイビング

上記はあくまで「手段」(道具)であり、レクリエーショナルとテクニカルはダイビングを行なう「環境」で区別しなければいけません。あくまで、レクリエーショナル・ダイビングの限界を超える、減圧が必要なダイビング及び/又は長く続くオーバヘッド環境へのダイビングがテクニカル・ダイビングです。なので、タンクを2本左右に抱えて潜るサイドマウント・ダイビングというだけではテクニカル・ダイビングとは言えません。

テック・ダイビングをサイドマウントで行なうには:

phここで言うテック・ダイビングは、諸環境を考えて最も身近な「水深50mまでのオープンウォーター環境での減圧ダイビング」を例にしてみます。バックマウント(ダブルタンク)でも必要なアクセサリー類等を除き、テック・サイドマウントでの必要な器材には以下が含まれます:
・テック・サイドマウントに適したハーネス/ブラダー
・メインのシリンダー2本(通常は10L〜。空気又はEANx)
・減圧用シリンダー1本又は2本(通常は6L。EANx及び/又は酸素)

レクリエーショナル・レベルでのサイドマウントに減圧用シリンダーが加わったとイメージしていただければ分かりやすいでしょう。これらと必要なアクセサリー類を装着することになります。

では、シリンダー4本を適切に「ぶら下げ」、しかも必要なアクセサリー類を装着するにはどうしたらいいのか、どのように取り扱うのか等等、これらのノウハウを提供するのがテック・サイドマウント・ダイバー・コースです。

PADIテック・サイドマウント・ダイバー・コース:

ここでは現実的な減圧ダイビングは行ないません。あくまでシミュレーションでの減圧ダイビングを、4本のシリンダーを使用して行ないます。コースでの最大深度は30mで、受講するための前資格は非常に間口が広く、アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー以上で30ダイブ以上の経験が最低限とされています。

スペシャルティレベルでのサイドマウント認定が必須とはなっていませんが、既にサイドマウントSP資格を持っていれば一部の知識開発/実践応用/スキル開発をインストラクターの判断によりクレジットすることが可能です。

また、バックマウントでのテック40〜の認定が既にあれば、同様に一部をクレジットすることが可能です。あくまでテック・ダイビングをサイドマウント・コンフィグレーションで行なうためのテクニックを習得するためのコースであり、無減圧かつ酸素分圧がコントロールされた比較的リスクの低い環境でトレーニングすることで、よりスキル開発に集中することができ、コースそのものが「自分で考え自分で工夫する」ことを学ぶように構成されています。全てのスキルがマスターできれば、自信をもって実際の減圧ダイビングに進むことができるでしょう。

理想的には・・・:

これからテック・ダイビングを始めたい、しかもサイドマウントで挑戦したいという方には、理想的には以下の順序で知識/スキル/経験を積んで行くのが非常にスムーズなようです:

サイドマウントSP ⇒テック・サイドマウント ⇒テック40〜

これだと、シリンダーの数が2本から4本へ、無減圧でのトレーニングから実際の減圧ダイビングへ、というようにステップ・バイ・ステップで習得できます。 筆者の経験上、この中ではテック・サイドマウントでのスキルをマスターすることが最も困難ですが、これができれば、実際の減圧ダイビングを行なうコースは非常に楽に自信を持って完了することができるようです。

次回はより具体的にテック・サイドマウントでの器材コンフィグレーションについて述べたいと思います。

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