水中撮影では、撮影機材を水没から守るテクニックの習得を避けては通れない。 カメラ自体が防水タイプのものもあるが、使用前には必ず、メンテナンスを行なう。 今回は、水中撮影機材のメンテナンスについて解説する。
カメラや防水ハウジングのメーカーによって、メンテナンスのやり方、 考え方が異なるので、実際のメンテナンスではご自身のカメラ&ハウジングの取り扱い説明書を確認していただきたい。 今回は、OLYMPUS社のTG-1&PT-053をモチーフに解説する。
1.水中で使用後は、水槽内ですべてのボタン&レバー、ダイヤルを動かして塩分を除去する。タオルドライの後、ハンドブロアーでOリング部の水分を吹き飛ばしてからリアケースを開ける。
2.Oリング・リムーバーでOリングを外す。 外したOリングは机の上や地べたに置かない。
3.最近のOLYMPUS社の防水ケースは、側面圧着方式のOリング防水方式なので、Oリングが蓋を閉めるときにねじれないように、Oリングにグリスを多めに塗る。
4.古いグリスや砂、髪の毛などを指で拭き取り、その後シリコングリスを塗る。カメラの出し入れのたびに、この作業は行なう。グリスは、予備を含め十分に用意しておくこと。
5.綿棒でOリング溝の清掃を行なう。カメラの出し入れのたびに行なう。安価な綿棒の場合、綿が外れて溝に残り、水密を妨げるので注意。
6.カメラのレンズ、ハウジングのレンズ、モニターの清掃には、純正のクリーニング液が用意されている。微量をクリーニングワイパーに塗布して使う。
7.予備拭き、本拭き、仕上げの3回くらいに分けてレンズを拭く。クリーニング液が多いと斑になる。
8.指定のシリカゲルを入れる。
9.水中フラッシュも同様にメンテナンス。電池交換のたびに行なう。
10.カメラハウジングのように確認窓がないので、水が入っても壊れるまでわからない。慎重に行ないたい。
11.電池ケースの蓋部分はOリングの圧着面になるので、この部分も清掃する。
12.電池ケース蓋は、ねじ込んで締めていき、マークを合わせる。これ以上締め込むと蓋が割れるので注意。ギューっと固く締める必要はない。
お手軽コンパクトタイプは・・・
防水仕様になっているコンパクトデジタルカメラを、防水ケースなしで水中で使う場合は、開口部のメンテナンスを必ず行なう。まずは、パッキン部分と圧着面の清掃を行なう。USBアクセス部分のメンテナンスも忘れずに。カメラ単体の場合、どのメーカーのものも浮力はネガティブになっているので、フローティングストラップの使用をおすすめする。うっかりカメラから手を離すと、深い海の底に落としてしまうかもしれない。