前回は、インドネシア/レンベで出会うコテコテのマクロの被写体/エビカニ編について紹介したが、今回は、日本から近くてアクセスの良いフィリピンでの撮影を紹介したい。フィリピンにはたくさんのダイブサイトがあり、それぞれに趣がある。
最近ハマっているポイントはボホール島近くの「バリカサグ」。リゾートから30分くらいで到着するこのポイントは、ギンガメアジの群れ、ウミガメ、バラクーダの群れ等、ワイド撮影でドキドキするほどの魅力的な被写体に出会える最高のダイブサイトなのだ。今回はこのバリカサグ島のウミガメの撮影について解説する。
フィリピン独特のバンカーボートからドリフトしながら、明るい浅場の砂地で、アマモを食べているウミガメを探してアプローチするのだが、数多くの個体に出会える。流れに乗って行くと次から次に出会える。最初は、急なアプローチに驚き逃げられることも多いが、ゆっくりと近づいていくと、ギリギリまで寄って撮影ができた。
撮影する環境は、流れがある場所で底質はサンゴ砂なので、砂が舞っている状況下になる。
フラッシュを使うと、舞っている砂にフラッシュ光が乱反射してノイズが出る。従って、フラッシュOFFにセットする。水深が浅く、底質が白い砂なので、自然光撮影で水中ホワイトバランスの効きが良く、発色が自然に仕上がる。
露出補正は天候にも左右されるが、-0.3~-0.7EVくらいがおすすめ。
行く手にウミガメを見つけたら水底まで降りて、ウミガメの目線までカメラを下げて撮影する。背景がブルーの水になり、被写体が引き立つ。
砂を巻き上げないように気をつけながらアプローチする。
泳いでいるウミガメを撮る場合、遠くにいるウミガメに追いつくことはなかなか難しい。バディとはぐれたり、エアーを消費したりすることになるので注意!
こちらに向かって来るウミガメに出会えたら下に回り込み、シルエット的に狙うこともカードのひとつに。ウミガメの手足の動きにタイミングを合わせることも意識する。
水中でのモニター確認時、少しフラッシュの光量が足りないかな?というくらいに調整します。砂が舞っている状況下では、フラッシュをOFFにするか、ONにする場合でも微少発光すると良い場合が多いです。
フラッシュをOFFで撮影する場合は、露出補正をやや明るめにして自然光で被写体の明るさ、発色を調整します。フラッシュONする場合は、思い切ってフラッシュ補正をマイナスにすると良い結果が出ます。
清水 淳 Profi le