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楽しい気象学

第3回 天気図を読んでみよう

天気図を読んでみよう 明治時代に日本でも近代的な天気予報を始めることになったとき、当時の政府が最初に着手したのは、気象の観測と、その観測結果に基づいた天気図の作成でした。
とにもかくにも、天気図がないことには今の状況もわからず、予想もできません。
今でこそコンピューターがいろいろなデータを解析して、予報まで計算してくれますが、それとて、観測結果をコンピューターの中の地球に展開する、いわば天気図を描くのと同じプロセスから始まります。

天気図に描かれているのは、高気圧や低気圧を示すマーク、同じ気圧の場所を結んだ等圧線、半円や三角形のヒレがついた前線、それに気圧を現す数字や、ものによっては風向き・風速や天気の記号が描かれているものもあります。わからない人には非常に難解かもしれませんが、少しかじれば大丈夫。
風の吹き方などはすぐにわかるようになります。

最初に確認するのは高気圧や低気圧の位置。
高気圧は気圧の高い、言わばスクーバ・タンクにエアが満タンに詰まっている状態です。
ですから、風は高気圧から低気圧に向かって吹きます。
ただし、一直線に吹くわけではありません。
地球が自転している関係で、風の流線は大きな渦巻きを描くことになります。
具体的には、まず等圧線を直角に横切るような風の矢印をイメージして、その矢印を30度右に回転させます。
これが実際の風向きになります。
ただし、南半球では回転の向きが逆で、左に30度になりますので、気をつけましょう。

次に風の強さ。
これは等圧線と等圧線の間隔が目安です。
等圧線の間隔が狭いところでは風は強く、広いところは風が弱いというのが大原則です。
低気圧の中心付近のように、等圧線同士の間隔が狭く、線が混みあっているところでは強い風が吹いていますし、高気圧の真ん中のように、ほとんど線がないところでは無風に近い状態だと思ってよいでしょう。

こうして天気図を眺めてみると、だんだん風が強い場所が見えてくるはずです。
低気圧の中心付近だけでなく、高気圧の縁も、そこそこ風が強く吹きます。
しかも、高気圧の縁のほうが風向きが揃っているので、同一方向に長時間風が吹きやすく、意外と波が高くなることが想像できます。


01
風は高気圧から低気圧に向かって吹く。最初に等圧線を直行するような向きの風をイメージしてみる。
ト02
その風向きを30度右(南半球では左)に回転させる。地球が自転している影響で、風はまっすぐに吹くことができない。
03
最終的に滑らかな風の流線がイメージできれば風向きは把握できる。風の強さは等圧線の間隔で判断する。陰影の部分は、等圧線の感覚が狭いので風が強い。

天気図を読んでみよう これで風が強いところ、イコール波が高くなるところがだいたいわかりますが、その他にもチェックしておきたいのが前線の位置です。
前線は、別名「不連続線」とも言って、風の流線が連続しないで途切れるところです。
前線付近では風同士がぶつかったり、すれ違ったりして、気流がとても乱れて雨雲が発達します。
発達した雨雲は、それ自身が強い風を引き起こして、局地的な嵐をもたらすことがあるので、前線付近も風が強く、波も高くなっています。

1枚の天気図からもこれだけのことがわかりますが、大切なのは天気図を連続で見るようにすることです。

同じ低気圧でも1枚の天気図からわかることは、その日のその時刻の状況だけです。
前日はどこにいて、どのくらい発達していたのか。同じ海域で、風はいつから吹き続けているのか。そういったところまでチェックしないと、思わずシケに遭遇したり、すぐに凪いてくるのにツアーをキャンセルしてしまったりなんてことになり兼ねません。
そんなトラブルを防ぐには、海に出る出ないにかかわらず、毎日欠かさずに天気図を見るに限ります。
また、陸上と海上では風の吹き方が大きく違います。特に背後に山が控えているような地形の海岸では、天気図から読み取ったほど風が強くなくて、海も凪いているように見えることがあります。

しかし、天気図はまず嘘をつきません。

そこはたまたま山が風を防いでいるだけで、沖に出たら天気図で予想した通りの風が吹いているはずです。
海岸の地形は風に大きな影響を与えますが、その影響は主に局地的なものですから、実用上は天気図の情報を第一に考えても差し支えありません。



梅雨前線 梅雨前線
梅雨は、東アジア特有の季節。6月になるとインド洋から吹いてくるアジアモンスーン、夏にむかってだんだんと勢いを増す太平洋高気圧から吹き出す南風、ときには台風の東側を吹き上がる南風も、暖かくて湿った空気を日本に運んできます。さらにオホーツク海高気圧から冷たく湿った北東風も吹いてきて、日本付近には湿気が充満します。太平洋高気圧が日本を覆う夏がくるまで、曇雨天が続きます。


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